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出版社に採用される!出版企画力編

2014/11/05何を書くかより"何を書かないか"の方が大切

こんにちは、樺木宏です。


さて、商業出版を考える人の多くが陥りがちなのが、

「どれだけ沢山情報を詰め込もうか」ということ。

あれもこれも書きたくなってしまうのですね。


しかしこれは、ありがちな落とし穴です。

広く浅くになってしまい、肝心のところは掘り下げが甘くなるからです。

こうなると、少なくとも「書籍」には向きません。

スピードではWebに、広さでは雑誌に、軍配があがるもの。

書籍は、その深さと、体系化に価値があるものなのです。


そうなると、著者として価値あるコンテンツを生み出し続けて行くためには、

「いかに書かないか」が重要なスキルになってきます。

植木でも、良い枝をさらに伸ばすために、多すぎる枝をカットしていきますね。

それと同じです。

あるいは別の言い方をすれば、木で彫刻する事と似ています。

勿体ないからといって削らなければ、出来上がるものは、残念なものになってしまうでしょう。


いかに書かないか。

書きたいのをグッとこらえて、削るか。

そこが、商業出版の著者としての力量です。

ぜひこの点に気をつけて、アウトプットして行きましょう。

あなたのコンテンツの価値が、ぐっと高まります。

 

2014/10/15企画の2つのハードル、コンセプトとコンテンツ

こんにちは、樺木宏です。


さて、今回は少し専門的な企画ノウハウの話。

商業出版で企画が採用されるには、2つのハードルがあります。

それは、「コンセプト」と「コンテンツ」です。


コンセプトとは平たく言えば、

"誰の悩みを、どう解決するのか" という事。

この組み合わせが、読者ニーズ、著者の強み、類書との差別化を決めます。

つまり売れるかどうかを決めますから、

出版企画ではもっとも大切なことと言えます。


しかし、忘れてはならないのが「コンテンツ」。

コンテンツとは、本の内容そのものです。

特に目次構成は、読者がタイトル通りの境地に到れるかどうかを決めるもの。

ここのツメが甘いと、せっかくコンセプトが良い企画でも、採用される事はありません。

特に近年は、出版企画の採用が厳しくなってきていると言われています。

だから目次の細部までしっかり作り込んでおくことが、ますます大切になってきているのですね。


ここでありがちなミスが、コンセプトとコンテンツが離れていってしまうこと。

例えば、中年男性向けの本なのに、男女問わないノウハウや事例が多すぎたり、

仕事術の本なのに、勉強方法や人間関係、はてはお金儲けまで話しが拡散していってしまったり、

といったミスが、往々にして起こります。

こうなると、コンセプトとコンテンツが離れていってしまうので、売れない企画になってしまうのです。

いかに内容が盛りだくさんでも、著者として素晴らしい実績があっても、

こうなってしまっては企画が編集会議を通ることはありません。

これはもったいないですね。


ではどうするか?という事ですが、

「常にコンセプトを意識する」

に尽きます。

とくに新人著者の場合は、自分が書きたいことに意識が行ってしまい、

"誰の悩みを解決するのか"を忘れてコンセプトがブレてしましがちなので、

注意して行きましょう。

本当に、この1点を注意するだけでも、驚くほど出版企画書の完成度は高くなりますよ。

 

2014/06/24過小評価されがちな"目線を下げる"というスキル

こんにちは、樺木宏です。

さて、すごく重要なスキルなのに、過小評価されがちなスキルがあります。

それは、

「目線を下げる」

というスキルです。

池上彰さんや、林修さんがあれだけメディアで引っ張りだこなのも、

この「目線を下げる」というスキルによるところが大きいもの。

書籍のベストセラーを見ても、近年は「分かりやすさ競争」と言っても良いくらいの状況です。


しかし新人・ベテランを問わず、著者にとって、ここは盲点になってしまいがち。


なぜかと言うと、欲求のレベルが、著者と読者の間で大きく違うからです。

本を出版しようというレベルの人の欲求は、レベルとして高い事が多い。

マズローの欲求5段階説的に言えば、最上位の「自己実現欲求」に近いのです。

対して、世の中の多くの読者の悩みは、相対的に低いのが普通。

典型的なのは、

 給料上がらないとこの先家計が苦しいから不安だな・・・安全欲求

 上司にもっと認められて出世したいな・・・・承認欲求

などでしょう。


このように、本を出す側と、読む側の多くではレベル感が違いますから、

日々こうした悩みを持っている人に、「やりがいある天職で毎日充実!」

などと言ってみても、あまり響かない=その本は売れないと思われる=企画が通らない、なのですね。


なのに新人著者は思いきり高い欲求レベルの企画を立ててしまいがちですし、

ベテランも油断すると本来の自分の欲求レベルに引っ張られ、高尚な企画になってしまいがち。

この落差を分かっているかどうか、そしてその差をつめるべく「目線を下げること」

を意識しているかどうかで、企画の採用確度は全く違ってきます。


ある意味自分の感情に刃向かってでも、"目線を下げる"というスキル。

意外と多くの著者ができてないだけに、ここを体得すると、大きく差がつく部分でもあります。

ぜひ、意識してみて下さいね。

 

2014/05/23ポジティブな"モヤモヤ感"から逃げない

こんにちは、樺木宏です。


出版企画を考えているとき、一種独特な

"モヤモヤ感"

はないでしょうか?

多くの人が経験している事と思います。

それはあまり快くない感情なので、一刻も早く逃れようと、

"最初に思いついた企画を、そのまま作り込んでしまう"

事もよくあるでしょう。


しかし結論から言えば、"最初の思いつき"は、よくよく吟味したほうがよいです。

なぜかと言うと、自分の書きたいことに注意が向きすぎていて、

読者の悩みやその人数について、ほとんど考えられていないことが多いから。

それでは、自分の中では「これだ!」と思えても、客観的にみれば「売れない」企画となってしまいます。

モヤモヤの苦痛から逃れたいあまり、最初の角度の調整に、十分な時間をとらない人が多過ぎます。

例えばロケットも最初の角度がわずかでもズレれば、着地点は大幅なズレになりますね。

これと同じです。

素晴らしいコンセプトは"モヤモヤ"というストレス状態がセットなのです。

 

今あるものだけで考えてしまうのはラクですが、

その後企画書作成に費やした労力はムダになってしまう。

そうなる前に試行錯誤して、十分に「売れる」ことを確認してから、

企画書を作り込みたいですね。

 

2014/05/09一生懸命なのに出版が決まらない人、そこそこの努力で決まる人

こんにちは、樺木宏です。

何冊も企画が通り、堂々たる著者のポジションを獲得する人がいます。

その一方で、最初の1冊に苦労し続ける人がいます。

どうして明暗が分かれてしまうのでしょうか?

実は、元々持っている著者としてのポテンシャルよりも、

"ブラッシュアップへの姿勢"の違いが大きいです。

企画をより良くしていくために欠かせないのがブラッシュアップですが、

ここが上手く行く人と、詰まってしまう人に別れるのです。

結論から言えば、

「上手く行く人は、自分のアイデアを手放す」

という事です。

逆にうまく行かない人は、

「自分の最初のアイデアに一生懸命こだわる」

のです。


なぜここが明暗を分けるかというと、

商業出版は「売れなければ出せない」ものだからです。

自分の書きたいことと、読者の読みたい事は違います。

だから自分のアイデアにしがみついてしまうと、残念ながら商業出版では、壁に突き当たってしまうのです。


また"最初のアイデアには似たような本がある"ことも多いです。

そうなると、いくら有益な内容でも、後から同じような本を出すのは困難です。

柔軟に差別化を考えて、方向転換したほうが近道です。


いかがでしょうか?

ブラッシュアップは自説にこだわり守りに入るのではなく、柔軟に攻めたいですね。

採用確度を増すための、ご参考になればと思います。

 

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