肩書きがなくても、企画がよければうまくいく
2022/06/29
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
商業出版というと、何やらハードルが高そうで、
すごい肩書きやら実績やらが、必要のように思えませんか?
そのせいか、本を出版したいという人の中には、
「自分には掘り下げた学問分野がないから...」
とか、
「飛び抜けた専門領域をもっていないので...」
といった理由で、
「自分に本が出せるのかどうか?」
と、悩んでいる人も多いようです。
でも、大丈夫です。
結論から言えば、そこまで突き抜けた権威や実績は、商業出版には必要ありません。
逆に、あまりに専門領域への思い入れや権威が強いと、マイナスにすらなってしまうのです。
というのも、人には「知の呪縛」というものがあるからです。
これはチップ・ハースという人が「アイデアのちから」という本の中で書いています。
曰く、
>いったん何かを知ってしまったら、それを知らない状態がどんなものか、うまく想像できなくなる。
>そうなると、自分の知識を他人と共有するのは難しい。聴き手の気持ちがわからないからだ。
>専門家というのは、ニュアンスや複雑さに魅力を感じるものだ。そこに「知の呪縛」が生じる。
>そうなると単純明快なメッセージを書くことがただの「白痴化」に思えてしまう。
ということなのですね。
これは私も多くの新人著者さんを支援する中で、日々実感しています。
つまり、
「あなたが専門家として知識を積み重ねるほど、素人の読者が欲しがる本を書きにくくなる」
ということなのですね。
それは出版社に企画が通りにくくなるということであり、
仮に本が出せてもなかなか売れない原因ともなっています。
ここに、「権威や実績はさほど必要ない」とお伝えした理由もあります。
いかがでしょうか?
不要な権威や実績にコンプレックスを感じる必要はありません。
堀り下げた学問分野がなくても、
飛び抜けた専門領域をもっていなくても大丈夫。
むしろ自分のことはさておき、
「より読者が求める内容とは何か?」
「それはどうすれば提供できるか?」
と、意識を「自分の外側」に向けていくことで、
著者としての道も、自然と開けていきますよ。