あなたに隠された「著者の強み」に気づく
2026/09/03「似た本がない」は、強みではありません
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
企画を考えていて、こう思ったことはないでしょうか。
「調べてみたけれど、似た本が一冊もない。これは、誰も手をつけていない領域だ」
「オリジナリティがある。だから、いける」と。
気持ちはよく分かります。誰もやっていないことには、価値がありそうに思えます。
でも結論からいえば、「似た本がない」は、強みではありません。むしろ、赤信号です。
その理由は2つあります。
まず、「似た本がない」のは、たいてい「需要がない」からです。
数多くの出版社がしのぎを削り、売れる本を多くのプロが追い求めています。
だからそこに悩みがあるなら、たいていそのテーマで本が出ています。
そんな中で、似たような本がないということは、多くの場合、そこに読者がいないということです。
理由の2つ目は、類書がないと、狙いを定めにくいからです。
本を買ってもらうということは、いまどきハードルの高い行為です。
そんな中、読者のどこに悩みの核心があり、そこにどうアプローチすれば、本を買ってもらえるのか。
ピンポイントにそこに狙いを定めるのは、前例ゼロではなかなか難しい。
すでにある本が、読者に何を届けているか、あるいは届けていないか。
それを知って参考にすることで、「自分は、そこにどんな新しいメリットを足せるか」を定めやすくなります。
たとえば既存の本のレビューや、版を重ねているかどうかに、読者の本音が表れます。
そうした前例がなければ、価値を提供することの難易度が上がるのです。
もし今、あなたが「似た本がない」ことをオリジナリティだと感じているなら、一度立ち止まって、あらためて類書を探してみてください。
それは、後追いでも、パクリでもありません。
類書は敵ではありません。
あなたの本の方向性を教えてくれる、一種のガイドのようなものと考え、
より良い本にするために、活用していきましょう。
ご参考になれば幸いです。
2026/06/26書きたいことと、求められていることの板挟み解消するには?
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
本を出そうと考え始めると、たいていの方が、
「書きたいこと」と「求められていること」
の二つの板挟みになります。
「自分が本当に書きたいのはこのテーマだ。けれど、これは世の中から求められているのだろうか」。
あるいは逆に、
「売れ筋はこちららしい。けれど、正直あまり書きたいと思えない」といった具合です。
でも私たちは、すでにこうした板挟みを経験しています。
「趣味」と「仕事」の違いです。
趣味というのは、突き詰めれば自分のためにやることです。自分が楽しいから、満たされるからやる。
一方で仕事というのは、他人のためにやることです。誰かの役に立つから、その対価としてお金をいただける。
商業出版も同じです。
同じ「文章を書く」という行為でも、自分のために書けば趣味の日記になり、他人のために書けば仕事としての本になります。
「書きたいこと」だけを追いかけると、それは限りなく趣味の日記に近づいていきます。
書いている本人は満たされるのですが、読者にとっての必要が抜け落ちているので、企画はなかなか通りません。
逆に、「求められていること」だけを追いかけてもうまくいきません。
流行を追って書いたものには、著者自身の必然性がない。
中身がどこかで聞いたような内容になりやすいですし、書き手に熱がないことも、不思議と読者に伝わってしまいます。
そして熱のないテーマを、人はなかなか200ページも書き続けられないものです。
では、どうするか?ということですが、
それは、あなたの「書きたい」という熱量と、
読者の「これを知りたい」という切実なニーズとが、ちょうど交差するポイントを探しましょう。
趣味と仕事の境目で言えば、
「自分が心から打ち込めることが、同時に誰かの役に立っている」
----その重なりの部分にこそ、あなたが書くべきテーマがあります。
あなたが今いちばん書きたいことは、誰の、どんな悩みを解消するものでしょうか?
2026/04/30著者紹介で"9割の人がやってしまうミス"とは?
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
プロフィールと聞いて、あなたは何を連想するでしょうか?
もしここで、「履歴書」という言葉が浮かんだなら、ぜひ今回の記事は読んで欲しいと思います。
というのは、著者のプロフィールを履歴書のように書いてしまうことは、
誰もが陥りがちな「落とし穴」だからです。
たとえば、
出身大学、勤務先、保有資格、受賞歴、メディア掲載実績、講演回数...
これらはどれも事実ですし、これまでの努力の証だと思います。
しかしこと出版においては、出版社が最も知りたい情報ではないのです。
では最も知りたいことな何か?
それは、
「なぜこの人が、この本を書くべきなのか?」
ということです。
ここで、「なるほど、この人にこの本を書いてもらいたい」と思わせることができなければ、
たとえ企画が素晴らしくても、あなたにオファーがくることはありません。
出版社はお金を出す側なので、よりよい内容を書けそうな人がいれば、そちらにオファーできるからです。
そうならない為にも、
「あなたこそが、この内容を書くのにふさわしいこと」
を、工夫して全力でアピールすべきなのです。
では、どう書けばいいのか?ということですが、
避けたいのは、
経歴の情報量や文章量をひたすら増やしてしまうこと。
盛ればれば盛るほど、個性的なアピールポイントが埋もれてしまいます。
むしろ、「この本を書くにふさわしい理由」が浮かび上がるように、
エピソードを「引き算」していきましょう。
情報量が少ないほど、逆に書かれた内容の訴求が強まっていきます。
経歴は最小限でも、「この人だから書ける」という必然性が、しっかりと立ち上がってきます。
編集者が見たいのは、まさにこれなのです。
資格の数でも、肩書きの厚みでもなく、「企画と著者がつながっている根拠」。
それさえあれば、新人著者であっても、企画は前に進みます。
著者プロフィールであなたの可能性を引き出す、ご参考になれば幸いです。
2026/01/08新年の抱負の落とし穴!?
こんにちは、
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
新年といえば、目標や抱負を考える人も多いのではないでしょうか。
「今年は本を出せるようになろう」
「そのためにもっと頑張って実績をつくろう」
といったイメージですね。
もちろんそうした抱負は素晴らしいのですが、
こと商業出版に関して言うと、気をつけたい落とし穴があります。
それは、
「読者や出版業界が求めていることとは、違う努力をしてしまう」
という落とし穴です。
そもそも著者というのは、何も「凄い人」である必要は全くありません。
なぜかと言えば、買うかどうかを決めるのはあくまで読者だから。
読者からすれば大切なのは、
「自分にとってメリットが大きいのはどちらか?」
「自分にとってどっちの本が分かりやすいか?」
といったことが最も大切で、いってしまえばそれ以外のことは二の次です。
なので読者が著者プロフィールを見比べて、
「こっちの人の方が実績が凄いからこの本を買おう」
ということは、あまり起こりません。
だから出版社もそこまでプロフィールを最優先には考えません。
こうした事情があるにも関わらず、
「もっと実績を積まなければ」とか、
「まだまだ本を出せるほどではない」
と考えてしまうと、
読者や出版業界が求めていることとは、違う方向の努力をすることになってしまいます。
今すぐにでも本が出せるのに、その機を逃してしまったり、
時間と労力をロスしてしまうなどなど。
新年早々立てた目標がちょっとズレていて、今年の努力が無駄になってしまうのではもったいないですね。
このことを知らないと、将来的にも悪影響があります。
いざ自分が「本を出すのにふさわしい」と思えるようになったとき、
読者のための工夫を怠りがちになるのです。
たとえば、
「こんなに凄い人が教えるんだから、読み手の方がついてきて当然」
といったスタンスになってしまうのですね。
工夫が弱いので企画が通りませんし、仮に通っても売れない本になりがちです。
こうした本は自費出版では非常に多く見かけます。
せっかく頑張って実績を積んだのに、逆に出版から遠のいてしまうのでは、
元も子もないですね。
いかがでしょうか。
著者というのは、「凄い人」である必要はありません。
それよりも、読者にいかに寄り添うか。
そこに焦点を当ててから努力することのほうがずっと大切。
今年得られる成果も、全く違ったものになってくることでしょう。
著者としての新年の抱負の、ご参考になれば幸いです。
2025/01/23自分の強みには、なぜ気づけないのか?
こんにちは、
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
いきなりですが質問です。
あなたは著者としての自分の強みを、100%本に活かしているでしょうか?
これに「はい」と答えられる人は、少ないと思います。
というのも、
「自分のことは、自分ではよく分からない」
ことが多いからです。
たとえば優秀な人ほど、
「自分の知識や経験は、それほどたいしたことが無いのでは?」
という風に、自分を過小評価する傾向があります。
これは「ダニング・クルーガー効果」
という名前でも知られていて、
日本人だけでなく、世界の人々に共通の傾向です。
本を書こうという人はそもそもが優秀な人が多いですから、
こうした「過小評価」の傾向もまた、強くなりがち。
せっかく素晴らしい強みを持っていても、
「自分などたいしたことがない」
と勘違いして、その強みを活かせないことが増えてしまうのですね。
かく言う私も。お恥ずかしながら同じです。
懇意にしている編集者と雑談していて、
「それ、面白いですね。本にしませんか?」
と言われるまで、
自分自身の強みを活かせるテーマに気づけませんでした。
多くの著者さんの強みを見出して190冊以上の本を手がけてきた私ですが、
あの時の「ひと言」を言ってもらわなかったら、
自分の10万部のベストセラー本は生まれていなかったと断言できます。
このように、
「他の人に、自分について意見してもらう」
ことは、時にとても大きな気づきを与えてくれます。
それも、できるだけ忖度せずに、
思ったことをそのまま言ってくれる人がベスト。
そうした率直な意見が、自分自身の過小評価に気づき、
逆に強みを活かした企画を生みだす、
よいきっかけになることでしょう。
なお余談ですが、先の「ダニング・クルーガー効果」は、
逆の方向にも働くことが分かっています。
あまり優秀でない人は、そのことになかなか気づかず、
自分を「過大評価」してしまうそうです。
自分を知るということは、ほんとうに難しいですね。
あなたの隠れた強みを見出す、ご参考になれば幸いです。



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