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出版では「納得感」を最優先しよう

2023/05/18

本を出したい人が、納得感を大事にすべき理由とは?

こんにちは。

保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。

さてご存知のように、

商業出版は、出版社が費用を全額負担してくれる出版です。

印刷費や広告宣伝費なども先方が負担しますし、

その上著者には印税を支払ってくれます。


それだけに、「売れるかどうか」が重視されますから、

本の内容についても決定権を持っており、リクエストも多々くることがあります。


その大半は、読者の要望に沿った表現にすることであったり、

先に出ている似たような本との違いを出すために、とても有効なものです。


しかし、著者としては譲ってはいけない一線もあります。

たとえば今売れているトレンドだからといって、

意に反した内容を書くのはよくありませんね。


そこまで露骨でなくとも、

「本当にそう言いきってしまっていいのだろうか...」

と疑問が残っているときは、

納得いくまでディスカッションして、

もし納得いかないのであれば、変更したほうがよいでしょう。


もし妥協してしまうと、じわじわと執筆意欲を削ってしまいますし、

そうした温度感は読者にも、出版関係各位にも伝わるからです。


不思議と本に込められた「熱量」というのは伝わるもので、

そうした温度感の低い本が売れる本になることも、

多くの人の人生に好影響を与える良書になることもありません。


そうした積み重ねが著者のブランド力にもなりますから、

納得感を大事にすることが、大切になってくるのです。

よい本を出したい人は、なおさら納得感が大切になる


納得感が執筆意欲を左右し、読み手への「温度」という形で伝わることをお伝えしました。

実は、納得感の大切さはそれだけにとどまりません。

より具体的な「企画の質」も、納得感に左右されます。

たとえば、本の「独自性」です。


世の中には似たような本がたくさん出ていますから、

後から出すには、何か新しいメリットを、読者に提供する必要があります。

そこで、独自の切り口を考えていくことになるのですが、

納得感が低いと、そこが難しくなってくるのです。


人は自分が信じていないことを書けませんし、

ましてや大勢の人に読んでもらう商業出版では、なおさら筆が進まなくなります。

その結果、当たり障りのない一般論を書きがちなのですが、

それだとすでに出ている多くの本に書かれていますから、

後から出しても売れません。

つまり企画が出版社に通らないか、仮に通っても売れない本になりがちです。


こうした落とし穴は、ベテラン著者にも訪れます。

差別化しなければ売れないのですが、かといって信じていないことは書けない。

それが出版社から提案されたテーマだとすると、

せっかく書いても原稿にOKが出ず、いつの間にかフェードアウト...

こうやって世に出ず、埋もれてしまう企画も世の中にはけっこうあります。


かといって、納得感がある内容はすでに書いていますし、

似たような本も多くでていますから、なかなか売れる本にもなりません。

「2,3冊出したが、あとが続かない...」という著者は、こうした落とし穴に落ちていることも多いのです。


よい本を出したければ、自分の納得感を大事に、意識的に育てていくことが大切なのです。

商業出版で納得感を高めるのが難しい理由


納得感を高める考え方はシンプルで、

「好き嫌いを大切にする」

というひとことに尽きます。


自分がどうしても書きたいこと、伝えたいことは「快」の感情を伴いますし、

逆にそうでないことは、「不快」の感情を伴うからです。

自分の感覚をセンサーにして、心地よい感情を伴うこと書き、そうでないことは書かない。

とてもシンプルです。


ただ、商業出版の場合難しいのは、

多少嫌いでも、「書くと有利」なケースがあることです。


たとえば、今の売れ筋のテーマ。

流行っているのでそれに乗っかれば、多少気に入らない点があっても、

本を出しやすくなります。


あるいは、出版社からのオファー。

自分の考えとは多少違っても、それを受ければ出版できる可能性は高いです。

こうしたケースがあるので、商業出版の場合は難しいのです。


目の前のチャンスを逃してまで「納得感」にこだわるかどうかは、

最終的には自分で判断することだと思います。


ただ私見としては、たとえ目先のチャンスを掴めたとしても、

納得感の低いコンテンツはその後が続かないことも多い、と感じています。


こだわりの低い本を出して「その他大勢」の1人に一度なってしまうと、

そこから独自性を発揮して突き抜けるのは、さらに工夫や努力が必要になってしまうこともしばしばです。


そこではやはり、「自分のこだわりを貫く」ことが、

遠回りのようでいて、著者ブランディングの最短距離になるでしょう。


出版のための納得感の高め方、育て方


さて、納得感を育てる方法についてもお伝えしましょう。

結論から言えば、

「数を出して、絞り込む」

ことが大切です。


頭の中の考えというものは、そうすんなりとは全部アウトプットできません。

納得感も同様で、「これが書きたかったことだ」というものは、

数を出す中でやっと出てくることもしばしば。

そういう納得感の高いコンテンツの割合を増やすには、

まず「量」を出し、その後「質」に転換するのがよいでしょう。


とはいえ、難しく考える必要はありません。

好きな事、関心のあることから枝葉を伸ばしていけばよいので、

あるテーマについて、書きたいことを箇条書きでメモしていばよいでしょう。


むしろ工夫すべきは方法そのものよりも、「時と場所」です。

アイデアというものはリラックスしている時によいものが出てきます。

たとえば昔から「三上」と言って、

馬上(乗り物で揺られているとき)

枕上(就寝前後)

厠上(便所)

はよいアイデアが出るので、考え事に向いているとされています。

現代でいえばさしずめ、

交通機関にのって揺られているときや、

ベッドやシャワーなどでリラックスしているとき、

あるいはトイレタイムということになるでしょう。


こうした「時と場所」で思いついたアイデアを逃さないようにメモしていくことで、

自然と納得感のあるコンテンツがアウトプットできます。


いかがでしょうか。

納得感は読み手への「温度」という形で伝わり、

執筆意欲や「企画の質」も左右する、大切な要素。


ぜひ大切にしてみてください。

 

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