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商業出版で本を出すにはどうするか?

2023/06/22

著者デビューのハードルとは?

こんにちは。

保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。


商業出版。

自費出版とは違い、出版社が費用を全額負担する出版です。


いわば出版社の「お墨付き」が得られるわけですから、

「信用」「ブランディング」「権威」

が得られる上に、印税という形でお金ももらえます。


見込み客の集客にもつながります。

本はあらゆるメディアの中でももっとも「読み手の信用度が高い」ため、

読者がHPを指名検索しますし、

全国の書店の店頭に、あなたの名前を冠した本が並びます。

雑誌の取材や寄稿依頼、ラジオやテレビのオファーが来ることも珍しくありません。


このように、メリットばかりでデメリットがほとんどないのが商業出版。

ただその分、ハードルもあります。


出版社は売れなければ倒産してしまいますから、

「売れる」ことが必要不可欠。

「いい内容だから」とか、「意義があるから」というだけでは、企画は通りません。


ライバルも沢山います。

売れるテーマには大勢の著者がすでに似たような本を出していますから、

あとから同じような本を出していたのでは売れません。


先に似たような本があっても、後から出して「売れる」。

それを説得できる出版企画書をつくり、出版社で企画を通すことではじめて、

あなたの著者デビューが叶うのです。


こうして見てくると、

「自分にできるかな...」

と不安に思う方も多いかもしれません。


そこで、具体的にどうすれば、

出版社が納得する企画書をつくり、それを通すことができるのか?

について、お伝えしていきたいと思います。

どうすれば企画書を通すことができるのか?


結論からいえば、要素は2つです。

「売れる」ことと、「読者の再現性」があること。

この2つが企画書で説得できれば、その企画は必ず通ります。

それぞれ、見ていきましょう。


まず、「売れる」についてです。

商業出版は出版社が費用を全額負担するので、

売れなければ倒産してしまいます。

また編集者の社内の評価も、手がけた本が売れるかどうかにかかっています。

そのため、売れることは最初にして、最大の要素になります。


ではどうすれば売れるのか?

ということですが、チェックポイントは3つあります。


1)「お金を払ってでも読みたい!」という人が、一定数いること

2)その内容を「書く資格がある」と思ってもらえること

3)先に出ている似たような本と比べて、「読者にとって新しいメリット」があること

になります。


いろいろチェックポイントが出てきて、「ちょっと大変だな...」

と思った人もいるかもしれません。

ただこのうち、2)についてはあまり問題がないケースがほとんどです。

そもそも本を出そうと考える方は、

その道のプロとして経験も実績もある人がほとんどだからです。

プロフィールをそのまま企画書に書くだけで、

十分に「書く資格」をアピールできることでしょう。


もしこの点に不安がある場合は、

プロフィールの棚卸しからはじめて、強みを見出すことが大切です。

その強みから逆算してテーマを決めることで、

このチェックポイントをクリアーすることができます。


また、こうしたチェックポイントは、必ずしも自力でクリアーする必要はありません。

たとえば私の支援では、

書きたい内容や、本を出したあとのゴールなどを伺って、

そこから逆算して企画をご提案することがほとんどです。

当然チェックポイントをふまえてのご提案なので、

あとは企画を肉付けしていくだけで、売れる企画ができるという流れです。


ただ、著者さん自身が企画考案のチェックポイントを知っておくことで、

一緒によりよい企画を考案できる可能性が高まり、

そのスピードもアップしますので、

概要だけでもざっくりと頭に入れておくと、今後の著者活動の財産となることでしょう。


今回は、企画を通すための2つの要素と、

「売れる」ための3つのチェックポイントについてお伝えしました。

出版社が最初にチェックするポイントとは?

今回は、

1)「お金を払ってでも読みたい!」という人が、一定数いること

についてです。


ここは、出版社が最初にチェックするポイント。

というのも、読みたい人がいなければ本は売れないからです。

もし編集者が、

「読みたい読者がいるのか、今一つピンとこない」

と感じてしまうと、その企画は即スルーされてしまうでしょう。


そうならない為には、

出版企画書で、「お金を払ってでも読みたい!」人が大勢いることを、

まず説得することが大切です。


ここは大事なところで、

意義とか、よい内容であることをアピールするよりも、

優先順序は先になります。

ここを間違えてしまうと、

「何度出版社に提案しても企画が通らない」

となってしまうので、要注意です。


さて、具体的な人数ですが、

その企画のテーマによっても変わりますが、

一般の人向けの、あまり専門的でない本であれば、

「100万人」が1つの目安といえるでしょう。


もしこの人数に満たなければ出版社は、

「読者数が足りない=売れないのでは?」

と考える可能性が高くなってきます。


逆に、それ以上多い読者が見込めるのであれば、可能性は高まってきます。

たとえば健康本でいえば「糖尿病」は良い例です。

患者数と予備軍を含めて約2000万人いることが分かっていますので、

出版社も「十分な読者ニーズがある」という判断をします。


ですのでまずは、

「お金を払ってでも読みたい!」という人が大勢いるかどうか

を、企画書でアピールしていきましょう。


たとえば具体的な数字は説得力がありますから、

統計データなども引用していきたいところです。


また読者ニーズがあるところには、

似たような本がたくさん出ています。

そうした本が多いテーマを選ぶのも、よい着眼点です。


ただ類書が多いということは、それだけ競争も激しいということ。

別の意味でハードルが上がるのは避けられません。


そういう意味で商業出版は、

「こちらを立てれば、あちらが立たず」

というシーソーゲームのようなところがあり、

3つのチェックポイントの中で、うまく全てが成り立つ「バランスポイント」を見出すところに、

難しさと面白さがあると言えます。

最大のハードル、「類書とどう差別化するか?」について

次は、

3)先に出ている似たような本と比べて、「読者にとって新しいメリット」があること

についてです。


実は多くの場合、商業出版で本を出せるかどうかは、ここで決まってきます。

というのも、先にお伝えした要素は、比較的満たすのが簡単なのにくらべ、

こちらはなかなか難しいからです。


たとえば、1)の読者ニーズは、統計データなどを見れば、大勢いるかどうかは判断できます。

また2)の著者くの書く資格も、その道で長年のご経験があれば、満たせることが多いです。

しかしこの3)の「読者にとって新しいメリット」は、

知恵を絞って考えないと、なかなか満たせないのです。


よくあるのは、ご自身のノウハウを、そのままストレートに書こうとすること。

これだと似たような本が沢山でていますから、出版社は、

「あとから似たような本を出しても売れないだろう」

と考えて、企画をスルーしてしまう可能性が高いです。


そこで、知恵を絞って考える必要が出てきます。

より分かりやすくなるよう、身近かな事例をふんだんに盛り込んだり、

比喩を多く使うなどして、「今までの本よりもハードルが低い」方向にするのも一案でしょう。


あるいは、読者が「より多くのメリット」を得られるように、

ノウハウの「質」自体をより高いものにするのも、新しい価値になります。


ただ、ライバル著者や出版社もこうした工夫をしてきますから、

抜きんでて評価されるためには、基準を高く持って、柔軟に試行錯誤する必要も出てきます。


こうしたことから、

先に出ている似たような本と比べて、読者にとって新しいメリットを提供することは、

けっこう難易度が高いのですね。


ただ逆にいえば、このポイントさえクリアできれば、

商業出版で本を出せる可能性はグッと高まります。


そのためにも、他のビジネス同様、市場をリサーチしておくことが大切です。

自分のノウハウに自信があっても、

ライバル著者はどのような本を出していて、どのような本が売れているか。

その表現方法や切り口は、どのようなものが流行なのか。


そうした市場の流れを見つつ、自分の考えやノウハウをうまく工夫し、

「読者にとって新しいメリット」がある出版企画にしていくこと。


それができれば、著者デビューはもちろん実現できますし、

ベストセラー著者への道も、その延長線上に見えてきます。


ここまで、「売れる」本をつくるための3つのチェックポイントについて見てきました。


次回は企画を通す最後のハードルとなる、「読者の再現性」についてお伝えしたいと思います。

最後のハードル「読者の再現性」について


商業出版では、いかに面白い企画でも、売必ず通るとは限りません。

というのも、企画はあくまで、A4ペラ2〜3枚の要約に過ぎないからで、

本番は「原稿」だからです。

もし、「企画は面白いのだが、この人は本当にこの内容で書けるかな?」

と疑問に思われてしまうと、企画がスルーされてしまう可能性も高いのです。

せっかく苦労して企画を考えても、これではもったいないですね。


そうならない為にも、「読者の再現性」が大事になってきます。

具体的には、「目次」を作り込むことです。


タイトルで約束したメリットや、悩みの解消を、

「この目次なら、確かに再現できそうだ」

と思わせることができたなら、その企画は最後のチェックポイントを通過して、

あなたが著者デビューできる可能性が格段に高まります。


では具体的にどうするか?

ということですが、

「同じコンセプトで、売れている本を参考にする」

ことが、もっともてっとり早く、ハードルが低い方法です。


書店で平積みになっていたり、amazonで一定期間ランキング上位にあったり、

レビューが多い本であれば、売れている可能性が高いでしょう。


ここで注意したいのは、

「こんなレベルの低い内容か...」

などと思わないことです。


プロから見れば、「素人にとって再現性が高い」内容は、易し過ぎるように見えがちなもの。

そこで「もっとカッコよく書こう」などと考えてしまうと、

素人にとっては不親切であることが多く、再現性もまた下がってしまう可能性が高いのです。


商業出版の主役は読者であって、著者ではありませんので、

「相手の目線」立って、親切勝負をしていきましょう。

ここまで、商業出版で本を出すにはどうするか?について、

大枠のところを一通りお伝えしてきました。

理論的なものが中心でしたので、やや抽象度も高かったことで、

「では具体的に、自分の場合はどうなのか?」

「自分はどんな企画がベストなのか?」

が気になった人もいると思います。


私の支援では、初回の1回はzoomで無料セッションを行なっており、

そこではかなりつっこんで具体的な企画についてのアドバイスもしていますので、

もし「行動に移したい」ということであれば、

ご遠慮なくご相談頂ければと思います。

 

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