面白い企画"を目指すと、かえって企画が通らない!?
2026/08/13
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
企画書を練っていると、こう考えることがありませんか?
「もっと面白くしないと」。
「ありきたりだと埋もれてしまう」。
「何かひとひねり欲しい」。
その考え方、よく分かります。
世の中には多くの優れた本がすでに出ていますから、
あとから凡庸な企画を出しても通らないのは、そのとおりです。
でも結論からいえば、「面白さ」を目指すと、かえって企画が通りにくくなります。
その理由は2つあります。
まず、「面白い」という言葉が、あなたと編集者とで、まるで別の意味を指しているからです。
あなたが「面白い」と言うとき、それはたいてい、
「自分にとって新鮮」「目新しい」「ひとひねりある」
という意味です。
でも、編集者の「面白い」は違います。
「特定の読者が、ぐいぐい引き込まれるか?」。
ただそれだけです。
この二つは同じように見えて、しばしば全く異なります。
あなたが「斬新だ」と思った切り口が、編集者には「で、これは誰が読むの?」に見える。
あなたが「地味かな」とためらった切り口が、編集者には「この悩みを持つ人には刺さる」に見える。
同じ「面白い」という言葉で、違うものを見ているのです。
理由の2つ目は、「面白さ」を目的にした瞬間、読者が視界から消えるからです。
これは、より根の深い問題です。
「面白くしよう」と考えるとき、人はどこを見ているでしょうか。
多くの場合、自分の企画そのものを見ています。
この切り口は新しいか、ひねりが効いているか、と。
目線が読者ではなく、自分の企画に向かいがちです。
でもそれは、読者が求めているからではなく、「面白くしたい」という自分の欲求を満たすためです。
こうしてできあがるのが、「作り手だけが面白がっている企画」。
書いた本人は手応えを感じているのに、編集者の目には「これを誰が、お金を払ってまで読むのか」が見えてこない。
だから、出版社に審査をなかなか通らないのです。
では、どうすればいいのか。
面白さを、目的ではなく、結果の側に置くことです。
「どうすれば面白くなるか」から入るのではなく、
「この本を、お金を払ってでも読みたい人は誰か」「その人は、何に困っているか」から入る。
つまり、順番を、逆にするということです。
読者を先に、はっきりさせましょう。
そのうえで、「その人にとって」引き込まれる切り口を探します。
すると、面白さは自然についてきます。
読者が「これこれ、これが読みたかった」と感じるもの、それが、編集者の言う「面白い」と一致します。
いかがでしょうか。
面白さは、読者を正しく見据えたときに、後からついてくるものです。
もし今、あなたが企画を面白くしたいなら、
一度立ち止まって、問い直してみてください。
「これは、誰にとって面白いのか?」と。
ご参考になれば幸いです。



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