著者ならではの"読書のコツ"とは?
2020/04/02
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
商業出版では、いわゆる「読書本」と呼ばれる本がありますね。
速読・遅読などのハウツーから、読書術を俯瞰で体系化したものまで、
国内外・昨今を問わず、多くの「本を読むための手引き本」が出版されています。
また最近では、もう少し広く「インプット」をテーマにした本も売れているようです。
もちろんこうした本は有意義なのですが、
こと著者にかぎっていえば、もう少し実践的で、かつ効き目のある
「コツ」があるのをご存知でしょうか?
それは、
「自分のために読まない」
ということです。
なにやら抽象的な印象をもったかもしれませんが、これが実に効果大。
それはなぜか?
自分のためだけに本を読むというのは、著者を目指す人、あるいはすでに著者であれば、
ある意味普通にやっていることだからです。
読書量もそのやり方も、すでに一定のレベルに達しているでしょう。
ですのでその「枠」の中で、インプットを効率化しても、伸びしろは意外と少ない。
いわゆる読書法を学んでも、それほどためになった実感が湧かないのは、そうした理由からです。
自分のために本を読むことは、もう飽和状態なのです。
しかし「自分のために読まない」というマインドセットは、
インプットの質・量を大幅に高めてくれます。
「これはあの人の参考になりそうだ」と思えば、
それまで自分ではあまり関心の無かったテーマでも、積極的に手に取る動機が生まれます。
興味関心の幅が広がり、インプットの「量」が増えるでしょう。
「ここはぜひあの人に伝えたいから覚えておこう」と思えば、
ただ読むだけでなくメモを取ることになり、記憶に定着しやすくなりますし、
自分の他の知識と結合しやすくなり、応用が格段にしやすくなってきます。
そうなればインプットの「質」は、意識せずとも高まるのです。
いかがでしょうか。
すでに一定レベルの読書人であるあなたに効くのは、
屋上屋を架すような知識の上書きではなく、
その根本にあるマインドセットを広げてしまうことなのですね。
あなたの読書生活がさらに充実するための、ご参考になれば幸いです。