企画書の書き方より、ずっと大切なこと
2020/10/08
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
商業出版で本を出そうとすると、必ず「出版企画書」が気になりますよね。
あなたの本が出版できるかどうかは、出版社が出版企画書を元に検討するので、
たしかに欠かせないものではあります。
しかし実は、
「出版企画書の書き方だけを知っても、ほとんど役に立たない」
のです。
たとえば、私のもとには、毎月複数の出版企画書が送られてきます。
その中には、「出版企画書の書き方をよく知っているな」と、私が思うものもあります。
でもその多くは、整った書式で、練られた文章で、
「自分のノウハウがいかに素晴らしいかばかり書いてある」
ことが多いのです。
要は、「出版企画書の書き方」という方法を、
「自分のことばかり書く」ことに使っているのですね。
これでは、出版企画書が通る可能性は、低くなってしまいます。
本といっても、要するに「紙とインクを通じたコミュニケーション」だからです。
あなたの身の回りに、
「相手の話はあまり聞かず、自分のことばかり考えて、自分の話ばかりする人」
がいたら、どう感じるでしょうか?
その人の話を、聞きたいと思うでしょうか。
思わないですよね。
ましてや商業出版は、お金を払って、かつ数時間もの時間を費やして読んでもらうものですから、
企画が通る可能性が低くなるのは、当然のことなのです。
本当に大切なのは、出版企画書の書き方などの、具体的方法ではありません。
その前に、
「誰に向けて書くのか」
「その人たちの悩みはどんなものなのか」
「その人たちはどれくらいいるのか」
といった、相手のことを考えること。
こうした、「考え方」のほうが、ずっと大切なのですね。
読者への関心が深く、配慮された内容で、その背後に思いやりがある企画は、
その企画を読んでいる人にも伝わります。
すると、そこには返報性が働いて、
「あなたの企画をもっとよくしたい」
「ぜひ出版を実現して、著者になって欲しい」
といった、応援する気持ちが返ってくるものです。
その結果、当初の企画よりもずっとよいものになり、
晴れて出版決定、となることが多いのですね。
いかがでしょうか?
出版企画書の書き方などは、さほど重要ではありません。
いかに読者のことを考えられるか。
そうした「考え方」のほうが、何倍も大切。
ご参考になれば幸いです。