売れる本は、"たとえば" が大切
2020/07/16
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、あなたは1番ラクにアウトプットできるのは、どんな内容でしょうか?
多くの人が、「自分が詳しいこと」と答えると思います。
それはその通りなのですが、そこには1つ但し書きもつくでしょう。
「自分が詳しいことで、なおかつ自分がいつも使っている表現であれば」
ということではないでしょうか?
この「自分がいつも使っている表現」というのが、実は商業出版ではくせ者です。
というのも、あなたはその分野では、ノウハウも実績もあるプロであり、
プロがいつも使っている表現とは、「専門用語」だからです。
素人である読者からしてみれば、ある程度の知識が無いと、理解しにくいのですね。
しかもそこに、「高度な内容」というおまけまでつきます。
一般の読者が知りたいのは、もっと基本的なことなのに、
それらを飛ばして「高度で、難解で、最先端な内容」を、書きたくなってしまうのですね。
だから、プロが自分の思い通りに書くと、たいていの場合は、
「素人が理解しにくい」ものになりがちなのです。
こうした傾向をそのまま放置してしまうと、
いかにすごいノウハウと実績をもつプロといえども、
商業出版で「売れる本」を書くことは、難しくなってきます。
すごい人の本が、必ずしも売れなかったり、面白くないのは、こうした落とし穴があるからなのですね。
あなたがこうした穴に落ちないためには、
「読者のレベルに、こちらが合わせる」ことが大切です。
専門用語などは極力使わず、誰でも理解できるような平易な表現を心がける。
事実そのものをストレートに教えるのではなく、
「たとえば」などの比喩やメタファーなども多用する。
「プロの世界ですごいこと」ではなく、「読者にとって関心が高いこと」を書く。
こうした工夫で、
「自分が書きたいこと」と、「世の中が求めていること」の、接点を探しながら、書くのです。
そうすれば、ノウハウや実績に「売れる本が書ける人」という付加価値が加わります。
あとは、いわずもがな。
出版の企画は通りやすくなり、セミナーでは分かりやすいと好評でリピートも増え、
メディアの規模も「マス」に近づいていくことは、当然といえるでしょう。
どんなにすごいプロでも、自分が書きたいことだけでは、素手も同然。
「世の中が求めていること」という武器を手にして、さらに活躍の場を広げましょう。