読者をお客にしない、"急がば回れ"の出版戦略
2014/04/22
こんにちは、樺木宏です。
さて、出版するなら、少しでも多くの見込み客を集客したい、と思うのが人情ですね。
そうなると、読者は自分のお客さんと位置づけ、本業のノウハウをそのまま出す・・・
というのがよくあるパターンですし、そうした主張をする人も多いようです。
ですが、ちょっと待って下さい。
実はその方法は、ベストでない場合も多いのです。
なぜなら、集客の為の出版といっても、2種類あるからです。
1つは、「1本釣り」の出版。
そしてもう1つは「場づくり」の出版です。
それぞれご説明しますね。
まず「1本釣り」の出版ですが、これは分かりやすいでしょう。
先の、読者は自分のお客さんと位置づけ、本業のノウハウをそのまま出す、
というパターンですね。
読者がそのままお客になる、というメリットがある一方で、
テーマが限定されやすく、なかなか売れる本にならない事も多いです。
企画がなかなか通らなかったり、通ってもあまり売れない本になる、
という事になりがちなのです。
対して、「場づくり」の出版。
これは、著者として有利な立場を取る為の出版です。
「このテーマならこの人」と言われるように、その分野で第一人者のポジションを取りに行くのですね。
この場合は、直接集客に結びつかないテーマでも、あえて出しに行きます。
結果、そのテーマで雑誌の特集があれば、取材がくるようになったり、
そのテーマの本が、出版社のほうから執筆依頼がくるようになったりします。
直接集客に結びつかないので一見遠回りのようですが、メディア露出が格段に増えるので、
結局は近道になることが多いのです。
例えば、下記の本はその成功例です。
「5つの基礎と6つの応用技でマスターできる うまい謝罪」http://goo.gl/4v3lZO
著者の間川さんは弁護士なので、この本を出したからといって、急にお客が増えることがないのは、
分かっていました。
しかし2年ちょっと経った今では、テレビやラジオにも数多く出演し、
本もこのテーマで今年あと2冊出版が決まっています。
クレーム対応や謝罪術関係のビジネス雑誌で特集、イベントがあれば必ず声がかかる
ポジションを確立しました。
そして「難しいことを分かりやすく伝えるプロ」と評価され、
謝罪以外のテーマでの、執筆・出演にも可能性が広がってきているのですね。
こうなると、本来の目的である、出したいテーマで本が出しやすくなり、かつ売れやすくなります。
いかがでしょうか?
必ずしも、直接のお客さんに向けて本をだす事がベストではない、というのが
おわかり頂けたでしょうか。
世の中のブランディグノウハウも鵜呑みにせず、まずはご自身によく当てはめて考えたいですね。