知っていそうで知らない、出版企画書のコツ(2)
2019/04/04
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、今回は、知っていそうで知らない、出版企画書のコツの2回目です。
前回は、「自分の意見を結論にする」というマインドセットをお伝えしました。
商業出版のレベルでは、テクニックを覚えただけでは、
価値あるアウトプットは生まれません。
事実ではなく「意見」を押し出す。
そうやって腹をくくってからテクニックを使えば、効果は何倍にもなります。
それを踏まえて今回お伝えするのは、「考え方のコツ」です。
まだテクニックには入りません。
出版ノウハウは世の中に溢れていますが、多くの人が使いこなせていないのは、
その根底にある「考え方」をセットにしていないからなのです。
考え方を踏まえておかないと、いつ、どのタイミングでノウハウを使うのか、確信がもてません。
確信がもてないと、使う機会が減る。
そうなると、身につかずにいつしか忘れる・・・
という悪循環なのですね。
では、その「考え方」とは何か?
それは、「読者の目線で考えること」です。
この考え方を知っておくだけで、企画はガラっと変わります。
例えば、プロは自分のノウハウを伝えるとき、
自分が理解し、整理している順番で伝えようとします。
商業出版では、これが、大きな落とし穴。
なぜなら人は、
「自分の記憶と一致することでしか、納得も共感もできない」
からです。
予備知識もなく、自分の知識との接点がどこにあるかも分からない状態で、
いきなり「正解」だけを与えられても、
「なるほど!」とは思いませんし、
「そうなんだよね!」という共感も生まれません。
だからそういう本を出しても売れないし、
なかなか企画が通らないのです。
その良い例が、学校の教科書でしょう。
有益な情報が、凄い量で詰め込まれています。
しかしあなたは、
「なるほど!」という知的興奮や、
「そうなんだよね!」という共感を感じたでしょうか?
言い換えれば、「お金を払ってでも読みたい」と思ったでしょうか。
大多数の人は、そうは感じていないでしょう。
そこには、読み手の感情への配慮、つまり読者目線は一切ないからです。
そう考えると、あなたが売れる本を書こうとするとき、
教科書のように、自分の理解している通りに伝えてはいけない、ということが分かります。
・読者にとって身近かなテーマにする
・正解だけではなく、それを知ることのメリットを伝える
・多くの人が経験しているであろうことになぞらえて伝える
これらは一例ですが、「読者目線」でありさえすれば、
自然とこのような工夫が生まれてきます。
「なるほど!」「そうなんだよね!」
という理解、そして共感が生まれ、あなたの著者としての付加価値も、
さらに増してくるのです。
この考え方がないと、いくら文章のハウツーだけを知っていても、
読者不在のコンテンツがアウトプットされるだけ。
商業出版レベルのコンテンツにはなり得ません。
いかがでしょうか?
売れる本を出すための、「考え方のコツ」。
ご参考になれば幸いです。