知っていそうで知らない、出版企画書のコツ(3)
2019/04/18
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、今回は、知っていそうで知らない、出版企画書のコツの3回目をお伝えしようと思います。
前回のコツでは、
「読者の目線で考えること」
をお伝えしたのですが、今回は一見、矛盾した内容になります。
なぜなら今回は、
「読者の声を参考にしない」
ということをお伝えしたいからです。
こういうと、
「えっ、どういうこと?」「矛盾している」
と思われるかもしれませんね。
実は、こういうことです。
「目の前にすでにある読者ニーズを満たそうとしても、
すでに類書がたくさん出ているので、もう遅い。
そうではなく、まだ本として世にでていない読者ニーズを、半歩先取りしよう」
ということなのです。
このあたり、商業出版に限らず、誤解の多いところでもあります。
私たちはつい、マーケティングという名のもとに、今何が売れているか、
過去にどれくらい売れたのか、という情報を重視しがちです。
しかしその結果はどうでしょう?
不便を感じることは少なくなったが、ワクワクするような商品・サービスが無い、
似たような商品や本が溢れながらも、ヒットはなかなか出ない。
という、閉塞感ではないでしょうか。
私見ですが、これはPOSデータや過去の実績という、目の前にすでにある読者ニーズを重視しすぎたから。
つまり言い換えれば、左脳でデータばかり見過ぎて、
右脳で直感や感性、発想といったものを軽視してきたツケ、なのだと思います。
ちなみに私は、
「新人著者の商業出版支援」という、
ニッチな業界の中でもさらにニッチなポジションで仕事をしてきましたので、
いくら左脳でデータを見ていても、二番煎じの企画しかつくれない状況にいました。
だから幸運にも、
「発想を飛躍させて」
「右脳で思い切った企画を考案」
しなければならない状況にいたので、
こうした「変わったノウハウ」を蓄積できたように思います。
そのアウトプットの1つの例が、自分自身で書いた最初の本が8万部超のベストセラーになった、
ということや、
多くの新人著者さんに著者デビューしていただくだけでなく、
その後もオファーが来つづけるような、ユニークなポジションを獲得していただいた、
という実績につながっているのだとも思います。
いかがでしょうか。
目の前のデータは、知っておく必要がありますが、それに引きずられては、いけません。
新人著者こそ、思い切って右脳で発想しましょう。
そして、左脳でそれをチェックする。
ダメだったら、また右脳で思い切って発想すればよいのです。
その繰り返しが、遠回りのようでいて、結局は新人著者のブランディングの
最短距離なのだと思います。
そして、あなたならではの、「出したよかった!」という本をぜひ出しましょう。
ご参考になれば幸いです。