"隠したい自分の弱み"こそ、最大の強み
2013/05/30
こんにちは、樺木宏です。
さて、出版企画を考案する時、多くの人が自分の強みに気付いていないことに、
いつもながら驚きます。
凄い能力や実績を持っているのに、そのノウハウをお金を払ってでも欲しい人がいる、
ということに気づかないのですね。
その理由はいくつかあります。
ポピュラーなものでいえば、人は自分のパフォーマンスが当たり前になってしまうので、
凄くても自分では当然と感じてしまいやすい、ということ。
商業出版というと凄い世界、というイメージのある人なら、
こんなに(自分では)当たり前のことでは、通用しないのでは、と思い込んで過小評価
してしまうことはよくあります。
この点については私も過去に何度か記事にしています。
さて、他の理由で、しかもあまり語られていないことがあります。
それは、「自分の弱みを隠してしまう」事です。
これが良くないのですね。
「弱みなんだから、極力隠すのが当たり前では?」
と思ったあなたは、正常な感覚を持っています(笑)
思い出すのも苦痛なことを、ましてや本に書いてしまって世に送り出す、などとは
考えたくもない、というのがホンネの所ではないでしょうか。
ただしそれは、一般的な日常生活を送る上では、の話です。
実は、ベストセラー著者であれば「弱みのカミングアウト」は日常茶飯事。
むしろ積極的に活用している、とさえ言えるレベルです。
例えば、マーケティング本を良く読まれている方ならだれでも知っている,
某コピーライティング本で一世を風靡した著者さんは、
いかに自分が外資系の社長とは名ばかりの情けない状態だったか、をカミングアウトしています。
また、累計が500万部になるといわれている某有名著者も、
自らの幼少体験として、親がサポートしていながら一家心中してしまったクライアントの
話をあえて入れていたりします。
また、起業本など40冊近い本を書いている大御所の著者さんでも、みずからのサラリーマン
時代の、会社に振り回されて悲惨だったエピソードを、自著で印象的に語っています。
最近のベストセラーで言えば、もっとストレートに、
「バカでも年収○万」といった具合に、
自分が愚か者であることをタイトルにまでいれて宣伝していますね。
なぜこのように、普通なら隠してしまいたいことを、あえて本にまで入れてしまうのか?
それは、
・読者の共感を呼ぶから
・読者に自分にでもできそうだ、と思ってもらえるから
・その低いところから、今の自分まで上がってきた"ギャップ"が強みになるから
の3つです。
そしてこの3つは、商業出版をする上では、著者に凄い付加価値を与えるのですね。
その効果は、知名度や実績がさほどではなくとも、一気に複数冊の出版が決まってしまう
こともあるくらい、大きいものがあります。
なので、頭のいいベストセラー著者達は、
あえて言いたくも無いことをさらけ出してしまうことで、代わりに大きなリターンを得ているのですね。
いかがでしょうか?
あなたは隠しますか?それとも出してしまいますか?
その選択が、著者としての1つの分かれ目かもしれないですね。