プロこそ、"たいしたことが書いてない本"を読もう
2019/03/07
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、あなたは日ごろ、どんな本を読んでいるでしょうか?
こと仕事に関してであれば、きっと「レベルの高い」本を、
好まれるのではないかと思います。
逆に、「すでに知っている」ようなことや、
「たいしたことがない」内容を、
わざわざお金を払って読む必要はない、という方も多いでしょう。
しかし面白いことに、こと商業出版の著者として
「売れる本」
を出そうとするなら、じつはその「たいしたことがない本」こそが、
お手本になることが多いのです。
それはなぜか?
なぜなら想定読者のレベルが低い分、
「表現・コミュニケーションの工夫」
がされているからなんですね。
こうした本は、読者にとっての
「臨場感」「具体性」
に焦点を当てています。
つまり読者の、
「これなら自分の悩みが軽くなりそうだ」
という気持ちを引き出すよう、意図してつくられているのです。
だから一般書は、リテラシーの低い人も読者対象になり、想定読者が増えます。
低めの欲求レベルの人たちも、読者対象になってきます。
こうした人にも売れるので、一般書は実用書に比べ、ベストセラーが圧倒的に多いです。
対して、実用書の読者は、「それについて学びたい」とか、「知識量を増やしたい」など、
高い欲求レベルの人たちです。
ですので、原理原則や抽象的なノウハウが中心になり、臨場感は低めで、身近かな具体例なども少なくなります。
その分、業界関係者の評価は高いものの、ベストセラーはでにくいのが、実用書と言えます。
こうしたことは、プロとして専門知識が増せば増すほど、
「盲点」
になってしまうという、面白い性質をもっています。
だからその道の権威といわれる人が書いた本は、
基本的にあまり一般受けはしないのですね。
だからもし、あなたが権威といわれるような人で、
売れる本を書きたいなら、今までの考え方を手放してしまったほうがよい、
ということになります。
「たいしたことがない本」を手に取り、
読者の気持ちに寄りそう表現を学べば、「鬼に金棒」なのですね。
逆に言えば、新人著者が売れる本を出すチャンスは、十分にあるし、
むしろ新人著者の方が有利、とさえ言えるでしょう。
ベテラン著者よりも遥かに売れる本を出すことも、
「出版企画」の練り方次第では、十分可能なのです。
いかがでしょうか?
「この勘所」を知り、
たとえその道の権威ではなくとも、ライバルが多くとも、著者として売れる本を出し、
ブランド力を高めていってくださいね。
ご参考になれば幸いです。