企画に"軸"があれば鬼に金棒です
2015/06/24
こんにちは、樺木宏です。
さて、今回は出版企画の「軸」について。
商業出版にとって不可欠でありながら、ベテラン著者でも意外と意識していないのが、
この「軸」です。
本と言うと200ページもあり、その文字数は約10万字もありますし、
そのわりにテーマは絞って1つに決まってしまっていますから、
「この事について、とくかくいろいろと沢山書かなければ」
と考えてしまいがちですね。
でも実は、そこからさらに絞って、
「私はこのテーマについてこう考えている」
という主張から外れる事は、一切書かないようにすべきなのです。
これが出版企画の軸です。
これがないと、
「いろいろ書いてあるけど、著者は要するに何を言いたいのかな?」
という書籍が出来上がってしまいます。
そうなると、
まんべんなく書いてある分、強いインパクトが無くなってしまい、
ライバル著者達の本と比べて、印象の薄い本になってしまいます。
読後の印象としても、スッキリと一貫したものが残りませんので、
「この本はこういう本だよ」という口コミも起きづらいでしょう。
そうならない為にも、「軸」を強く意識することが大切なのですね。
例えば、先月発売になったこの本。
「どの会社でも結果を出す『外資系エグゼクティブ』の働き方」
フラナガン裕美子著・日本実業出版社
http://goo.gl/kgx0C4
一見、出来る人の働き方についていろいろと書いてあるようですが、そうではありません。
「日本人が参考にできる、変化や摩擦を恐れない働き方を、実例を中心に伝えたい!」
というしっかりした軸があるのです。
ノウハウや事例もいろいろ書いてあるようでいて、軸に関連しないことは一切かかれていません。
だから、読後に著者の主張や人柄が印象として強く残り、
また口コミも起きやすい本となっているのですね。
ただ、こうした事を分かりずらくしているのが、
まんべんなくノウハウを並べただけの類書の存在です。
売れていないこうした本をたまたま手に取って、こういうレベルでいいんだと勘違いしてしまう
ケースが多いのですが、これは避けたいですね。
やはり本はただ参考にするのではなく、自分自身の基準を持ってみる事が大切。
ご参考になれば幸いです。