世の中のブームと、企画のタイミング
2015/06/10
こんにちは、樺木宏です。
さて、世の中には「ブーム」があります。
注目が集まっていますから、そのテーマの本が書店に並べば、売れやすいです。
ということで、「今これがブームだから、それを踏まえてこういう本にしたい」
というご相談は良く頂きます。
でも残念ながら多くの場合、それでは遅いのです。
というのも、本は企画してから書店に並ぶまで、時間差が大きいメディアだからです。
どれくらいの時間差があるかというと、
企画を考案し、その企画を出版社が検討するのに、人によっては数週間から数ヶ月。
そして企画が通り、執筆開始から校正、印刷・流通を経て書店に並ぶまで、半年から1年。
合計すると1年以上かかってしまうことも、珍しく無いのですね。
そうなってくると、ブームを見てから企画したのでは、その本が書店に並ぶころには、
とっくにブームが去っている可能性が高いです。
もし去っていなくとも、それだけ長期のブームであれば似たような内容の本が書店には
溢れているでしょうから、いずれにしても企画を通すには遅い、と判断されてしまうでしょう。
では、遅くならないように、上手くブームに乗って本を売るにはどうすれば?という事ですが、
「ブームの兆しを見て動く」
ことが大切です。
テレビや雑誌、身の回りで話題になっているのであれば、それはすでにブームですから、
そうなる前、ごくごく1部の人の間でしか話題になっていない時、に注目すると言う事です。
雲をつかむような話、と感じるでしょうか?
でも良く考えれば、本を書こうというほどのレベルの人であれば、
それほど難しいことでもないのです。
例えば以前、FacebookやTwitterなどが流行りはじめ、SNSブームの始まった時がありました。
その時期に先駆けて本を出した人たちは、アメリカのSNSの流行をウォッチングしていました。
当時、アメリカで流行ったSNSは1年遅れて日本にくる、という流れがあったので、
そこに目をつけ、兆しを見逃さないよう情報収集していたのです。
そして日本にくる半歩手前くらいの状態で、積極的にFacebookやTwitterを開始し、
日本でのSNSの第一人者であるかのように振るまい、出版に成功していたのですね。
要は専門知識や独創的なアイデアよりも、
「どこに目をつけておくか」ということが大切、ということです。
そしてそれほど大それたブームでなくとも、少しの「兆し」を捉えるだけで、
十分あなたの企画は売れるものとなり、出版の可能性を押し上げてくれます。
あなたの企画がさらに良いものになるための、ご参考になれば幸いです。