読者の数を劇的に増やす方法とは?
2019/10/10
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、本が売れるかどうかの大切なポイントに、
「読者ニーズ」
があります。
本が売れるかどうかは、それを読みたい読者がいるかどうか。
その人数が多ければ多いほど本は売れますし、
その悩みが深ければ深いほど、やはり本は売れます。
これを総称して「読者ニーズ」と言いますが、
出版社は最初にこうした点をチェックしてきます。
本を出すなら、最初に押さえておきたいポイントですね。
とはいえ、頭では分かっていても、実際はなかなか難しいものです。
というのも、私たちの脳には、
「自分が知らなかったときのことが分からなくなる」
という傾向があるからです。
これを「知の呪縛」といいます。
「アイデアのちから」というベストセラーで有名な、チップ・ハースの本から引用してみましょう。
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>なぜ巷には記憶に焼き付く見事なアイデアが溢れていないのだろう?(中略)
>あいにく、悪者がいるのだ(中略)この悪者の名を「知の呪縛」という。
>いったん何かを知ってしまったら、それを知らない状態がどんなものか、
>うまく想像できなくなる。(中略)そうなると、自分の知識を他人と共有するのは難しい。
>聴き手の気持ちがわからないからだ。
>専門家というのは、ニュアンスや複雑さに魅力を感じるものだ。そこに「知の呪縛」が生じる。
>そうなると単純明快なメッセージを書くことがただの「白痴化」に思えてしまう。
(「アイデアのちから」チップ・ハース 日経BP刊 より)
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これは、著者にとって隠れた大問題でしょう。
なにしろプロとして知識と経験を積み重ね、レベルアップすればするほど、
「読者に何が響くのかが分からなくなる=売れる本が書けなくなる」
と言われているに等しいからです。
この呪縛から逃れ、ベストセラーを出すにはどうするか?
方法は2つです。
1)脳の傾向に逆らって、読者の気持ちをくみ取る努力をする
2)それを知らない素人の力を借りる
どちらを選ぶか、それは著者としてのあなたの選択ですね。
ただ1つ言えるのは、プロとしての自説にこだわり過ぎると、
容易に「知の呪縛」の落とし穴に落ちる、ということです。
自費出版の本を眺めていると、いかにこの穴が大きく深いか、
ということに気づくことができるでしょう。
そういう意味で、日頃あまり見たいとは思わないでしょうが、
自費出版のラインナップを眺めてみるのも良い反面教師になります。
なおベストセラーを量産し続けているタイプの著者は、多くの人が
「出版チーム」
をつくっています。
つまり2)の選択をしているということですね。
本人がいくら優秀でも、いや優秀だからこそ、知の呪縛から逃れるための選択をしているのでしょう。
いかがでしょうか。
あなたの著者としての可能性を最大限に開花させるための、
ご参考になれば幸いです。