"マーケッター"は出版するのに有利です
2013/06/11
こんにちは、樺木宏です。
さて、商業出版の企画をつくるということは、完全に
「マーケティング」です。
想定読者は「顧客」ですし、
自分は「自社」
そしてライバル著者は「競合他社」ですね。
なのでマーケティングを分かっている人なら、売れる出版企画がどんどんつくれるか・・・
というと、残念ながらなかなかそうは行かない事が多いです。
その理由は、
「読者のレベル感」
にあります。
これを高く考えすぎている人が実に多い。
著者のレベル感をそのまま企画に持っていってしまいがちのです。
例えば、スキルも意識も高い人が最初に作る企画には、こんな感じのが多いです。
「生き甲斐をもって働ける方法を教えます」
「充実した人生を送る方法」
なんか、カッコいいですね。そして有意義です。
でもこれは、多くの読者に刺さるでしょうか?
これは絶対に刺さりません。
もしこうした本で売れてるとすれば、それは間違いなく著者が多くのファンをもつ有名人。
ファンは日記でも買いますので、参考にはなりませんし、マネをしてはいけません。
1年間にサラリーマンが本を読む冊数は2冊以下、という説もあるくらいで、
ほとんどの一般読者は、そこまで意識が高くないものなのです。
有名なマズローの5段階欲求で言うなら、
上記の企画は、一番レベルの高い欲求である「自己実現欲求」ですが、
一般の人の悩みは、「安全欲求」「承認欲求」という、比較的低いところが一番多い。
そこで必要なのは「想定読者のレベルを下げる」こと。
例えば、
「あと10年、リストラされずに済む方法」(安全欲求)
「"お前ってこんなにできる奴だったっけ?"とアイツに言わせる本」(承認欲求)
みたいな企画なら刺さると思いませんか?
何冊も本を出し続けている著者に共通しているのは、実はここです。
著者に求められるのはものすごく優秀なノウハウや実績ではなくて、
「今の時代、多くの読者が切実に悩んでいる事をしっかり分かっている」
ことなのですね。
"自分の書きたい事を書くのではなく、世の中の多くの人の読みたいものを書く意識"
"ライバルにどう見られるかではなく、どうすればもっと読者に貢献できるか、という気持ち"
です。
ノウハウや実績があるのに、なかなか本が出せない人は、これで出版確率が劇的に上がりますよ。