著者は「北風」ではなく「太陽」でうまくいく
2024/06/20
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
童話というものは、優れた知恵が凝縮されていることが多いものです。
たとえばイソップ童話の、「北風と太陽」の話は、
著者のブランディングにもとても役立ちます。
たとえば、本を書こうという人は、ほぼ例外なく、なにかの専門分野のプロですね。
一方、読者は悩める素人であることが多いもの。
そうなると当然、レベル感に違いがでてきます。
このギャップが、本を出したい人にとって、大きな落とし穴になることが多いのです。
プロである著者から見れば、
「なんでこんなことに悩んでいるのか」
「こんなこともできないのか」
という気持ちになることも、多くなってくるでしょう。
それを指摘し、
「だからこうすべき」
と書きたくなるのが人情です。
「北風と太陽」の童話でいえば、
旅人の服を脱がせようとして北風をビュービューと吹きつける、
というイメージに近いですね。
しかし、読者からしてみれば、
お金を払ってまでお説教されたいとは思わないのも、また当然です。
いくら内容が正しくとも、高度であっても、それは関係ありません。
リアル書店であれば、立ち読みでそれを察して、棚に戻してしまうでしょうし、
ネット書店であれば、レビューを見て、別ページに移動してしまいます。
先の童話でいえば、
「寒いのでますますガードを固めて、敬遠されてしまう」
ということです。
出版社はこうした「すれ違い」事前に分かりますから、
企画が通らず、本も出せない・・・となりがちなのです。
売れるコツが分かっている著者は、このあたりの感覚が全く違います。
読者にお説教するのではなく、寄り添います。
本の内容もさることながら、
それ以前のマインドセットとして、
「読者を応援する」
というスタンスの本が多いのです。
そうなると読者は、
「自分のための本だ」
「この本なら自分にもできそうだ」
と感じて、売れやすいですし、
よい口コミが広がっていく可能性も高まります。
童話で言えば、
「ぽかぽかと暖かくしてあげたら、旅人が服を脱いでくれた」
という形です。
企画も通りやすく、売れるので次の本もオファーが来て・・・
と、まったく逆の好循環が起こります。
いかがでしょうか。
本も、人と人とのコミュニケーション。
読者をぽかぽかと、暖かく照らしていきましょう。
ご参考になれば幸いです。