自分には書けることがない、と思ったら
2025/10/23
こんにちは、
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
商業出版で本を出すというと、
「すごく成功している人がすること」
というイメージがありませんか?
誤解を恐れずいえば、それは勘違いなのです。
というのも、
「本は読者のためにあるもの」
だからです。
ここで、
「成功している人の方が、読者の役に立つことをたくさん書けるのでは?」
と疑問に思う人も多いと思います。
でも、それも勘違いです。
なぜなら、
「成功すればするほど、自分が成功していなかったころの感覚が失われる」
からです。
このことは、チップ・ハースさんの「アイデアのちから」という本に書かれています。
下記流用してご紹介しましょう。
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これが「知の呪縛」というやつだ。いったん何かを知ってしまったら、それを知らない状態がどんなものか、うまく想像できなくなる。(中略)そうなると、自分の知識を他人と共有するのは難しい。聴き手の気持ちがわからないからだ。
専門家というのは、ニュアンスや複雑さに魅力を感じるものだ。そこに「知の呪縛」が生じる。(中略)そうなると単純明快なメッセージを書くことがただの「白痴化」に思えてしまう。
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いかがでしょうか。
成功しているからといって、すごい知識やノウハウがあるからといって、
読者の役に立つ本を書けるとは限らず、むしろそこから遠ざかってしまうことの方が多いのです。
このことは、成功した人の「自費出版」でどんなことのが書かれているかを見れば、一目瞭然。
自慢話など「自分」に焦点が当たっていて、読者への配慮は皆無な本ばかりです。
逆に、「失敗」こそが、最高の執筆ネタになることは多いです。
というのも、成功は環境や運の要素が多く、再現性が低いのに対して、
失敗は、そうした要素に左右されにくく、再現性が高いからです。
つまり多くの失敗を経験している人ほど、読者にとって価値のあるコンテンツを提供できる。
しかも、読み手の気持ちが分かるので、それを共有するのも有利になる。
そういうことなのですね。
いかがでしょうか。
あなたがネガティブにとらえていた経験や知識ほど、
実は商業出版に最も適したネタかもしれません。
新たな視点で、棚卸ししてみてはいかがでしょうか?