焦って出版してはいけない理由
2013/07/06
こんにちは、樺木宏です。
さて、過去プロデュースした本を見ていてつくづく感じるのは、
"良い本でも、露出が足りないと埋もれてしまう"
ということ。
逆に、内容が多少アレな本でも、お金をかけてガンガン露出すれば、
そこそこ売れる本になる、というのも、残念ながら事実です。
例えば、売れている本が何冊も出ている出版社は、宣伝広告に掛ける費用がとても多かったり、
書店に営業する部署の人が意欲的かつ多人数だったりします。
あるいは、著者が数百万円単位の出費をして販売促進をする事を、推奨する出版プロデューサーもいるようです。
出版関係者の中には、「ベストセラーになる本は、(広告やメディア露出を)仕掛けたものだけだ」
と言い切ってしまう人もいるくらいです。
中には、商業出版のノウハウをちょと勉強して、こうした事実を知り、
「お金をかけないと、自分をブランディングすることは出来ないのか・・・」
と意気消沈してしまう人もいるのではないでしょうか。
でも、本を出したい人の中には、多額の費用を掛けたくない、あるいは掛けられない人も当然います。
とうよりも、むしろ順番が逆で、
「高額の販促キャンペーンができるほど稼ぎたいので、本を出したいんだ」
というのがホンネではないでしょうか。
特に私は、
「人生で1冊目の出版を支援する」
「出版することで人生のステージを一段上げる」
というコンセプトで支援していますので、なおさらそうした声を、無視するわけには行きません。
では、どうするか。
自分の持っているリソースを最大限に活かし、ひたすら企画を、練り上げて行けば良いのです。
考えてみれば、いくら宣伝広告に費用をかけても、それは認知の初期段階だけの話。
本当に売れる本は、口コミやソーシャルメディアでの拡散、メディアからの取材という形など、
自費ではとてもできない規模で、自然に露出が増え、広まっていくものだからです。
例えば、ミリオンセラーは、ほとんどが新人著者の1冊目ばかりなのも、良い例ですね。
つまりは、「企画」さえ良ければ、本は売れますし、企画も十分通ります。
もちろん、最初の「認知のカベ」を越えるために、ある程度自費で販売促進をするのは有効ですが、
ムリしてまで行う必要はないでしょう。
逆に気をつけなければいけないのが、
「出せるからといって、十分な企画でもないのに、焦って出版してしまうこと」
こうなると、いくら宣伝に費用を掛けても、本の一瞬露出しただけで、あっという間に忘れられてしまいます。
1冊目の本が売れない、と言うことだと次の本も出版しづらくなったりもします。
よく、そうした本がいかにも「amazonキャンペーンです」という感じで数日ランクインし、
その後一気に100位圏外に飛んでいってしまうのを見かけますが、これは残念ですね。
中にはそうした事を繰り返さないと本が出せない、負のスパイラルにハマってしまっている人もいるようです。
そうした落とし穴に落ちない為にも、まずはじっくりと、腰をすえて企画を考案することをお勧めします。
他力本願ではなく、自分自身の企画力を高めていくことが、回り道のようでいて、実は成功への近道です。
焦って出版してしまうことは厳に慎みたいものですね。