出版企画書のつくりかた、その4
2025/07/31
こんにちは、
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
今回も引き続き、出版企画書のつくりかたについて、お伝えしていきます。
3つのチェックのうち、2つめの要素が、
「その本を書く上で、説得力がどれくらいあるか(著者の強み)」
になります。
いくら売れているテーマだからといっても、
「なぜその人に書いてもらうべきなのか?」
という理由がないと、企画は通りません。
その理由はいくつかあるのですが、
1つは、出版社はお金を払う側なので、他の人にも頼めること。
印税の額はベテラン著者でも新人でもあまり変わりませんから、
少しでも強みがある人に書いてもらいたい、となるのですね。
「いい企画なんだけど、他の人に書いてもらったほうが・・・」
とならないためにも、企画のテーマと連動した、強みのアピールが必要になってきます。
では、何をアピールするか?
ということですが、新人著者の場合であれば、
「面白い事例を書けそうな期待感」
になるでしょう。
もちろん、肩書きや実績をアピールするもよいのですが、それらは手段であって目的ではありません。
いかに信用ある肩書きや実績であっても、
それが、面白い本につながりそうでなければ、著者としての評価にはつながらないでしょう。
逆に、いわゆる社会的ステータスが高い肩書きではなくとも、
「何か面白いエピソードをたくさん出してくれそう」
と、期待感を持たれるほうが、著者としては高評価です。
こうした背景には、
本の面白さは「事例やエピソード」の占める割合が大きいことがあります。
言い換えると、「何を言っているかより、誰が言っているかの方が大切」とうことですね。
たとえば、野球のバッティング。
ネットで検索すれば、いくらでも情報はでてきます。
最近であれば、生成AIが体系化して、親切に教えてくれるでしょう。
でも、イチローが教えてくれたらどうでしょう。
期待値が大きく膨らみますよね。
たとえ理論的には、それほど他の人と違わないとしても、
「何か面白いエピソードをたくさん出してくれそう」
という期待値が違うので、著者としての強みも全く違ってきます。
逆に、学校の教科書はどうでしょう。
正しい結論と理由はならんでいても、事例やエピソードが無味乾燥なので、あまり面白くないことが多いですね。
これが、
「その本を書く上で、説得力がどれくらいあるか(著者の強み)」
になります。
「何か面白いエピソードをたくさん出してくれそう」
という期待を高めるように、
企画のテーマと連動した、強みのアピールをしていきましょう。
次回は、最後の3つめのチェックポイントについて、お伝えしていきます。