AIに、商業出版レベルの企画を出させるコツ
2026/05/14
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
近年、AIの進歩は目覚ましいですね。
あらゆるアウトプットで、AIを活用している人も多いと思います。
ただそれと平行して、出版社の側で、
「AIが書いた企画書が、すぐ分かるようになってきた」
のもまた事実です。
送られてきた企画書をひらいて、斜め読みして数秒。ああ、これはAIだな、と分かってしまう。
そして静かに企画をスルー。
こうしたことが、出版業界の現場でいま静かに起きています。
不思議に思われるかもしれません。
AIは整った企画書をアウトプットします。
タイトルも内容を正確に反映しているし、章立ても論理的。ターゲット読者の設定も、違和感はありません。
それなのに、なぜプロには、ひと目で見抜かれてしまうのか。
理由は、いくつかあります。
ひとつめは、「平均点すぎる」こと。
いいかえると「どこかで見た企画」だということです。
AIは、過去の膨大なデータから、「平均的に正解っぽいもの」を組み立てます。
だから、過去に売れた本のパターンを学んで、その平均値のような企画を出してくる。
しかし編集者は職業柄、世に出た本のタイトルや切り口を膨大に覚えています。
だから、AI企画書を読むと、
「ああ、この切り口は、あの本にあった」
「この構成は、3年前のあれと同じだ」
と、瞬時に既視感が湧き、どこかで見た印象を与えてしまうのです。
2つめの理由は、「著者の顔が見えない」ことです。
人間がつくった企画書には、行間に、必ず書き手の主観やこだわりが感じられます。
エゴといってもいいかもしれません。
言葉にしていなくても、それは文字の奥から立ちのぼってくるもの、
編集者が企画書から読み取ろうとしているのは、じつはそこなのです。
ところがAI企画書は、そのエゴだけがすっぽりと欠けている。
だから、読み終わって心に響きにくい。それは書店で読者が目にしても同じです。
そのため、企画が通りにくいのです。
AIは、枝葉を盛るのは得意ですが、企画の核にある人間の思い入れを創造してはくれません。
むしろ、そこを「もっともらしい言葉」で覆い隠して、できあがった風に仕上げてしまう。
外側だけ整っても、そこに人の心を打つ要素はありません。
プロは、その匂いを敏感にかぎ取ります。
技術がいくら進歩しても、ここはおそらく変わりません。
ではどうするか?
自分の内側にある、思い入れやエゴに向き合いましょう。
そしてそれを、「書きたい一行」として表現しましょう。
まず自分の頭で掘り起こし、徹底的な抽象化です。
そのうえで、整理や検証の作業にAIを使う。
この順番さえ守れれば、AIはむしろ、企画づくりの強力な味方になります。
編集者は、AIを使ったかどうかを見ているわけではありません。
その奥にいる、あなた自身が見えてくるかどうか、を見ています。
あなたの企画書の行間からは、あなたの体温が、ちゃんと伝わるでしょうか?
ご参考になれば幸いです。




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