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あなたの最高のコンテンツは、思い出の中にある

2026/04/23

こんにちは。

保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。


「専門分野で20年以上やってきたのに、なぜか企画が通らない...」

こんなご相談を受けることがよくあります。

拝見すると、たしかによく整った企画書で、経歴も申し分ない。

書いてある内容も確かなもので、章立ても論理的。

それなのに、どうも編集者の反応が芳しくない...

こうしたことは、決して珍しくありません。

なぜこんなことが、頻繁に起ってしまうのでしょうか?


その理由は、「プロになればなるほど、読者の気持ちからどんどん離れてしまう」からです。


ここで、ひとつ興味深い心理学の知見をご紹介します。

「知の呪縛」という言葉をご存じでしょうか。

高度な専門知識を身につければ身につけるほど、その知識を持たなかった頃の感覚が、思い出せなくなる。

むしろ、深く学んだ人ほど、確実に陥ってしまう。

そういう認知の罠のことです。


出版企画を考えたり、本を書く場面では、この「呪縛」が牙をむきます。

専門家にとっては「当たり前のこと」が、読者にとってはまったく当たり前ではありません。

専門家にとっては「つまずくはずもないこと」で、読者はつまずいていすし、

プロにとっては「瑣末なこと」が、読者にとっては人生の悩みだったりします。

ところが、呪縛のなかにいる書き手には、こうしたギャップが見えないのです。

その結果、どうなるか。

「なぜ、こんな基本的なことで悩むのだろう」

「ここは飛ばして、本題に入ろう」

「もっと高度なノウハウをお届けしたい」

こうして、読者の気持ちからどんどん離れた本ができあがっていきます。

書き手としてはベストを尽くしているのに、読者には届かない。

売れる本が書けなくなる、というのは、じつはこういうメカニズムなのです。


編集者はこの構造を、経験的によく知っています。

だからこそ、専門性をふりかざした企画書を見ると、警戒します。

「著者は立派だけれど、読者目線からみてどうだろうか」とチェックします。

ここを乗り越えられなければ、いかにレベルが高いプロでも、商業出版で売れる本を書くのは難しいのです。

では、どうすれば「知の呪縛」から抜け出せるのか?

近道はありません。ただ、ひとつ有効なのは、「かつての自分」を思い出すことです。

その分野を何も知らなかった頃の自分。初めて壁にぶつかったときの自分。

あの頃の不安や戸惑いを、もう一度思い出してみる。

そこに、読者に寄りそう答えがあります。

専門性は、もちろんあなたの最大の武器です。

ただし、その武器を読者に届けるには、いったん初心者の立場に戻る謙虚さが必要なのです。

あなたが「当たり前」だと思って省略してしまっていることのなかに、

売れる本のヒントが隠れています。

 

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