本の種類を知って、著者としての順調なスタートを
2023/12/07
こんにちは。
保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
ひとくちに商業出版といいますが、おおまかに3種類あることをご存知でしょうか?
このことを知らないと、著者としての戦略を第一歩から誤ってしまいますので、
ぜひ押えておきたいところです。
具体的には、
「専門書、実用書、一般書」
との3種類があります。
専門書は、よく分かっている人が、よく分かっている読者に向けて書く本です。
専門用語が多用されていて、表現の工夫もほとんどありませんから、
想定読者はリテラシーが高い人に絞られます。
一方で、専門分野を持つプロにとっては、最も親しみがあるかもしれません。
そのため、初めて本を出そうとする人は、だいたいがこの専門書をイメージしていることが多いです。
実用書は、もう少しかみ砕いた本になります。
専門用語の解説などもされていて、表現もやや工夫されています。
ただ、想定読者はそのテーマに関心があることが前提になっているので、
関心を引くような工夫はあまりされておらず、
あくまで「実用」をメインに据えている本です。
最後に一般書ですが、こちらはもっとも幅広い読者層を狙った本になります。
いいかえると、最もレベル感が低い本です。
ですのでプロからみたら、「なんだ、こんな本」となりがちです。
ただ、内容はレベルが低いかもしれませんが、表現は逆に最も高度です。
関心を引く表現、分かりやすく読み続けられる工夫など、
素人読者への「親切勝負」にこだわった本になります。
想定読者が広くとれる分、もっとも売れる本になりやすく、
ベストセラーになることが多いのは、この種類の本です。
こうして見てくると、
プロは専門書をイメージしており、
読者は一般書が親しみやすい、
というギャップが見えてきます。
だから、このギャップを放置して商業出版にチャレンジすると、
たいていはその段差につまずいて、こけてしまう(企画が通らない)、
ということになります。
ではどうするか?
ということですが、別に専門書を書くのを諦める必要はありません。
ただそれを、最初の1冊目にしなければよいだけです。
著者としてのスタートでは読者を幅広く見込める一般書から入り、
実績とファンが増えるにしたがって、レベル感を上げて行く。
これが遠回りのようでいて、成功する著者の最短距離になるでしょう。
ぜひ思いきって"想定読者のレベル感を下げ、
親切勝負で著者としてのスタートを切っていきましょう。
ご参考になれば幸いです。