自費出版を選択肢に入れてもよい唯一のケース
2013/07/26
こんにちは、樺木宏です。
さて、私は商業出版専門なので、自費出版の支援はしていません。
その理由は過去の記事で何度も書いているのですが、自費出版は著者にとってメリットが弱く、
逆に高額な費用というデメリットがあるから。
ただ、そういう主義の私が「唯一自費出版を選択肢に入れる例外のケース」があります。
それはどういう場合かと言うと、
「圧倒的な販売力があり、ブランディグが必要ないケース」です。
以前実際に当事者から聞いた話ですが、従業員1万人以上の某大企業の役員が、給料天引きで自分の自費出版を社員に買わせた、
という話がありました。
これは、目先の販売益だけで言えば、商業出版するより儲かります。
買わされた社員はちょっとお気の毒ですが(笑)
自分で製作費を出し、販売促進も行う、というリスクを負う分、諸経費を除いた分が取り分となるので、
さほど費用をかけずに売り切る自信があるなら、選択肢に入れてもよいのです。
ただ、本を売り切る販売力を個人が持っているケースはほとんどありません。
数千部~2万部程度の書籍を自分で売ろうと思えば、少なく見積もっても広告費は1,000万円程度かかるでしょう。
これでは割に合いませんね。
だから会員組織で数千人抱えているベストセラー著者も、本は商業出版で出しているのです。
また、仮に売り切って利益が出たとしても、世の中に流通して不特定多数の読者の目にふれないし、
他のメディアからの露出もなく、出版実績としてもカウントされないので、その後の出版には繋がりません。
多くの場合、出版をしたい人は印税が欲しいのではなく、「ブランディグ」したいわけですから、
これも労力の割に合わない話になるでしょう。
今日のまとめです。
唯一、自費出版を選択肢に入れてもよい例外のケースとは、
万単位の組織を経営するなど、費用をかけずにものすごい販売力がある場合です。
それ以外は割に合わない話になるでしょう。
もし身近に自費出版でもいいから本を出したい、という人がいたら、教えてあげてくださいね。