必ず商業出版が決まる3つのコツ、その(3)ポジショニング
2015/04/01
こんにちは、樺木宏です。
さて、前々回から、必ず商業出版が決まる3つのコツと題して、
基本的な、しかしとても重要な出版ノウハウをお伝えしていきます。
第3回目の今回は、「著者の強み」についての続きです。
前回例に挙げたのが、こちらの本です。
http://goo.gl/fAFo05
新人著者ながら2冊の出版を同時に決めた著者の毛利優子さんは
・どのように強みを活かしたのか?
・なぜ出版社から好評価されたのか?
について、お伝えしたいと思います。
まず、どのように強みを活かしたのか?という事ですが、
ポイントは、
「強みを複数考え、最も有利な立ち位置を取れるものを選んだ」
と言うことに尽きます。
人の強みとは、1つではありません。
見方を変えると、いくつもの強みがあるものなのです。
しかし多くの人は、ひとつ思いついてしまうと、それに執着してしまいがち。
毛利さんの場合はそうではなく、そこからさらに複数考えて行き、ライバル著者の状況や、いまの売れ筋テーマ
などとも比較しながら、最も有利な位置をとれる立ち位置を選んだのですね。
先の例で言うと、仕事と家庭の両立をテーマにした本は多いです。
毛利さんもその強みを持っているのですが、強いライバルが先行しており、相対的に不利。
そこで他の強み、
>最初の就活から子供がおり、3人の子供を育てながら働いた経験に加えて、
>仕事では働くママ向けのWebサイトを企画立案・運営した実績
に注目しました。
それを一歩手前のテーマ、つまり仕事と家庭の両立以前に、そもそも良い仕事に復帰できない、
という不安に焦点を当てれないか?と調べてみると、そこにはライバル著者が少ない、
良いポジションが空いていました。
具体的には、女性の約6割が出産後に退職してしまう現在の日本。
25~54歳女性の平均就業率は69%と低く、OECD加盟国34ヵ国中24位です。
ですが皮肉な事に、実は約8割の母親が「何かしらの職に就いていたい」とも考えています
そこで必要とされるのは、育児と両立できる職に就くこと。
しかしそうした情報は少ないです。
"家庭と両立するための仕事術"の本は多いのですが、
そもそも「家庭と両立できる仕事」をどうやって見つければ良いのか、
そこに焦点を当てた本がなかったのですね。
こうして、自分の強みを複数把握しつつ、市場と比較して、有利なポジションを探していくことで、
ご自身の強みも活かされ、ライバルも少ない、
有利な立ち位置を取れたことが、成功した要因です。
結果、3社の出版社からオファーをもらい、2冊の出版を同時に決めることができたのですね。
読者の需要があるのに供給が少ないのですから、その好評価も当然、ということです。
いかがでしょうか?
あなたがご自身の本を出版されるとき、強みは1つではありません。
客観的に、複数の強みを把握すること。
それを市場の需給バランスに合わせて、柔軟に組み合わせていくこと。
そのことで、商業出版の成功だけでなく、その後のビジネスも大きく飛躍するのですね。