危機感の強い時代に著者が注意すべき、たった1つのこと
2020/06/04
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタントの樺木宏です。
さて、今のような危機感が強い世の中になってくると、
商業出版の著者は、注意しなければいけないことが1つあります。
それは、
「自分の目線でアウトプットしない」
ということです。
自分の目線というのは、いいかえれば高いレベルの目線ということ。
商業出版で本を出そうというレベルの人は、自分で気づいていなくとも、
その分野ではかなり高いレベルにいるのは間違いないでしょう。
その目線のままで、高いレベルの内容をストレートに書いてはいけないのです。
なぜなら、著者と多くの読者では、ただでさえ欲求レベルが異なるのに、
危機感によってますます差が開いてしまいがちだからです。
著者のレベルは高い。つまり、欲求のレベルでいえば、
自己実現欲求や承認欲求といった、高いレベルで動いています。
「本を書こう」という意欲自体が、まさにその典型でしょう。
対して、読者は素人です。
欲求レベルでいえば、心配事をなくしたいという安全欲求や、
孤立したくないといった社会的欲求などで動きます。
その不安を解消するために、本を買って読もうとするのです。
そうした違いがもともとあるところにもってきて、
今のような危機感の強い時代になると、ますますその差が開きます。
著者はますます肩に力が入り、高度な内容を書こうとする。
読者は不安から、手っ取り早く不安が解消されるよう、身近かでわかりやすい内容を求める。
この差が開けば開くほど、企画は通りにくくなりますし、仮に通っても売れなくなるのですね。
こんな時代になったからこそ、著者はもっと読者に寄り添うことが求められます。
配慮、与える気持ち、思いやり、なんと呼んでもよいのですが、
そうしたマインドを持っている著者こそが活躍できる。
ぜひこのマインドセットを気にかけてみてください。
ご参考になれば幸いです。