止まっている時計は1日に1回、正確な時間を指す
2019/11/14
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
新商品も流行も、消費スピードがとても速い昨今。
それは出版のネタについても、例外ではありません。
たとえ商業出版で本を出すことができ、著者になったとしても、
同じテーマの本が書店にあふれており、すぐに消費されてしまいます。
昭和の頃なら同じテーマでずっと本を出し続けている、
という著者さんも大勢いたのでしょうが、
令和の時代、そうした著者のスタイルはなかなか通用しずらいのです。
ここで、1つの落とし穴があります。
流行のスピードが速いならばと、次々と書くテーマを変えてしまう著者さんがけっこう多いのです。
しかし私は、これをおすすめしません。
というのも、「浅く広く」になってしまうからです。
・新しいテーマを追いかけるのにかかる時間。
・それをインプットして消化し、自分の事例で話せるようにする時間。
・似たような本が多いなか、どう違いを打ち出すかを考える時間。
このような労力に多くの時間をとられてしまうと、
どうしても1つ1つのアウトプットが「浅く」なってしまうのですね。
そしてけっこう苦労する割にあなたは、
「新しめだけれども、他の人と同じようなことを書く人」
という風に人から見られてしまうことにもなります。
また、意欲から書くのではなく「作業」になってしまうので、
書くモチベーションもなかなか持続しないでしょう。
こうした理由から、私は次々と書くテーマを変えてしまうことをおすすめしないのです。
ではどうするか?
逆説的ではありますが、「止まる」ことをおすすめします。
・自分の関心が持てるテーマに留まる
・場所は動かず、片足だけ旬なテーマに踏み出す
・つまり、2つの異なるテーマ(得意・新しさ)を組み合わせ続ける
ということです。
こうすることで、自分自身の「深さ」を活かし続けることができますし、
時代の旬なテーマも取りいれることができます。
意欲も持続しやすくなり、本を出し続けることができるでしょう。
時代の流行をやみくもに追うのではなく、自分の強みを把握しつつ、
虎視眈々と「待つ」。
これも立派な著者戦略です。
遅れている時計は決して正確な時間を指すことはありませんが、
止まっている時計なら1日に1回、必ず正確な時間を指します。
待っていれば、時代の方から時間をあわせにやってきてくれるのです。
時計がものすごい速さで動く時代になればなるほど、
こうした考えは有効になってくるでしょう。
ただこの場合難しいのは、「2つのテーマを組み合わせる」という点ですね。
2つに距離があればあるほど面白い本、面白い出版企画になりやすいのですが、
なかなか発想しにくいですし、組み合わせる難易度も上がってしまうからです。
もしそう感じた方は、私はそういう考案が得意ですので、
ご遠慮なくご相談頂ければと思います。
変化の時代、あなたが活躍し続けるための、ご参考になれば幸いです。