著者として活躍できる期間を最大化するには?
2019/10/02
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
本屋にいくと、似たような本が並んでいませんか?
特にベストセラーの本が置かれた横のあたりです。
いかにも「後追い」といった感じの本が溢れているのを、見かけたことがあると思います。
いや書店に限らず、世の中の商品が皆こんな感じでしょう。
商品企画も「売れるかどうか」がシビアに問われますから、
ヒットが出れば、同業他社が類似品を出してくるのは、当然といえば当然の光景ですね。
さて、このように、ほとんどのビジネスがコモディティ化している昨今ですが、
こと「商業出版」の「著者」に限っていえば、こうした流れに同調するのはNGです。
なぜなら、「活躍できる期間が短くなってしまう」からです。
例えばこれが商品やサービスであれば、ブームが去ってしまえば次の商品を開発できます。
だからサーファーのように、次々と波を追いかけるというやり方が通用します。
しかし商業出版の著者は違います。
ブームが去ったからといって、あなたの考え方や立ち位置をそう簡単に変えるわけにはいきません。
読者からみれば、「コロコロと変わる人だな」ということになってしまいますから、
ブランディング上マイナスです。
出版社や他のメディアから見ても、「専門家としての権威に乏しいな」ということで、
声がかかることも減っていってしまうでしょう。
例えうまく本が売れたとしても、立ち位置としては「その他大勢」に埋もれてしまっています。
あなたの著者としてのブランディング効果は限られたものになってしまうでしょう。
もちろん、数多い著者の中には、時代によってテーマを大きく変えながら、
売れる本を出し続けている人も、少数ながらいます。
しかしそういう人に共通しているのは、
「リサーチにかける時間と費用がプロレベル」
ということです。
つまり、意図的に仕事として、
「ブームを素早く正確に察知すること」
に投資や努力を惜しまない人たちなのですね。
この土俵で勝負し続けるので無いならば、選択肢としても無しなのです。
そして安易な後追いを止めるべき、もっと大きな理由もあります。
それは、
「本を出してもあまり嬉しくない」
ということです。
せっかく自分の本が出せたというのに、嬉しくないのでは本末転倒ではないでしょうか。
それは感情の問題としても大きいですが、品質にもかかわってきます。
そうした心理状態では、モチベーションも高まらず、ポテンシャルも引き出されないからです。
執筆はもちろん、企画の時点から「熱量」が高くなりません。
それは周囲にも伝わりますから、「皆で良い本をつくろう!」という熱気も低くなりがち。
これでは寂しいですよね。
いかがでしょうか。
トレンドに流されて、安易な企画に乗っかることは、あなたの可能性を狭めることです。
あなたの「私はどうしてもこれを書きたい」という想いを大事にすること。
そしてそれを出版企画に反映させること。
こうした考え方をもって本を出すことが、
あなたが著者として「活躍できる期間」を決めるでしょう。
ご参考になれば幸いです。