思い入れの強さは、諸刃の剣です
2014/01/09
こんにちは、樺木宏です。
本を出せるかどうかを分ける要素に「思い入れ」があります。
やはり強い思い入れをもって書くと、エネルギーのある良い本になりやすい。
ただし「強い思い入れがあれば良いんだな」とは言い切れないところが難しいところです。
というのも、過剰な思い入れは、逆に出版決定にマイナスになるのです。
なぜマイナスなのかといえば「読み手が見えなくなるから」です。
商業出版はあたり前の話ですが、文字通り本を売るビジネス。
売れなければ企画は通らないことは言うまでも無いのですが、「自分の本」となると、
この客観的な視点が抜け落ちることが多いのですね。
例えば、ベストセラー書籍に似たような本があると、こうした勘違いは良く起こります。
「似た本が売れているのだから」と安易に自分の企画をひいき目に見てしまう事が多いのです。
後から本を出すということは今までの本と比べて「読者にとって新しいメリット」が必要。
でも実際は、似た本が他にも出ていないか詳しく調べ、柔軟に企画を練り直す人はほとんどいません。
これも、自分の最初に思いついた企画に対する「思い入れ」が邪魔をしているのですね。
いかがでしょうか?
もちろん良い本をつくる上で熱意は必要ですが、それは読者の問題を解決したい、
という目的に対する熱意であるべき。
企画の切り口という手段に対する思い入れは、コントロールしたいですね。