著者を蝕む"良く思われたい病"に聞くクスリ
2014/11/19
こんにちは、樺木宏です。
さて、出版のノウハウは大事なのですが、それ以前に「考え方」ひとつで、
出版の確度は大きく変わってきます。
今日お伝えするのはそんな中でも大切で、かつ意外と知られていない事の1つです。
それは、
「本は読者に感情移入して書く」
ということ。
これはいわばあたり前の話で、なぜ本を売るビジネスが成り立つかといえば、
そこに悩んでいる人がいて、解決策を求めて本を買ってくれるからです。
でも、自分が書く側に回ると、なかなかそれが難しい。
なぜなら、感情が邪魔をするからです。
頭では読者を勇気づけることが大切、その為にはあえて弱みも見せ、
あなたにも出来るよ、というメッセージを送ることが重要、ということが分かっていても、
「自分の同僚や家族、そして目上の人に良く思われたい」という感情も、強いもの。
そうなると、読者に対して自分を大きく見せようとしたり、カッコつけようとしたり、
してしまいがちなのです。
こうなると、2つの大きなデメリットが待ち受けています。
1つは、読者に「自分にはムリ」と思われてしまうこと。
「すごい人だからそれが出来るのであって、自分には無理だ」
と感じさせてしまうのですね。
これは本が売れないだけでなく、買った読者を勇気づけるとは逆の方向です。
2つ目は、企画のインパクトが弱くなること。
世の中に「すごい著者」はいくらでもいるもので、差別化をしなければいけないのですが、
「カッコいいこと」だけでは、材料不足なのです。
弱みと強みの落差、そこを上手く演出して、ストーリーにしてこそ、最も差別化が出来るもの。
いわばカッコつけてしまうことは、自らの強みを半分カットしてしまう事でもあるのです。
このようなデメリットを避けるためにも、
「自分の同僚や家族、目上の人などではなく、読者に感情移入して書く」
ことです。
それが出来れば、悩める読者を勇気づけ、「自分にも出来そうだ」と思ってもらえます。
企画を採用する側からから見ても、「差別化された企画だ」と評価も上がります。
著者として本を出せるかどうか、あるいは出し続けられるかどうか。
あなたが活躍するための、ご参考になればと思います。