専門家としての権威は、本当に出版に役立つか?
2016/04/27
こんにちは、樺木 宏です。
本を出したいと思っている人のなかには、
掘り下げた学問分野がない、
飛び抜けた専門領域をもっていない、
ということで「自分に出せるのかどうか?」と悩んでいる人もいるかと思います。
でも結論から言えば、そこまで突き抜けた専門性は、商業出版には必要ありません。
逆に、あまりに専門領域への思い入れや権威が強いと、マイナスにすらなるのです。
なぜなら、既存の学問分野のカテゴリー1つで、実社会の問題解決を出来ることは稀だからです。
商業出版は「読者の問題を解決するもの」ですから、
多くの場合、垣根を飛び越え、組み合わせなければいけません。
その組み合わせや創意工夫がないと、いかに学問分野の権威でも、
実際の問題解決ではあまり役に立ちません。
また、専門領域についても同様で、それをそのまま書くのでは、
「専門書か実用書」となってしまい、読者が狭くて売れにくい本になってしまいます。
似たような本も多くでてしまっているので、同じような本を後から書いても企画は通りにくいもの。
いかに別の視点を持ち込むか、組み合わせるかの工夫が、売れるかどうかには決定的に重要なのです。
分かりやすい例で言えば、TVの「放送大学」と「民放の勉強バラエティ」の違いです。
放送大学では名だたる有名大学の教授をはじめ、掘り下げた学問分野を持つ人や、権威のある専門家が話します。
対して民放の勉強バラエティでは、元予備校講師や新聞記者などが主役。
後者は学問の面でも専門性の面でも、前者には及びません。
でも関心を引く話術や身近かに感じるテーマ選び、巧みな構成や演出を組み合わせることで、
はるかに多くの人が楽しめて、為になる番組になっているのですね。
いかがでしょうか?
堀り下げた学問分野がなくても、
飛び抜けた専門領域をもっていなくても、大丈夫。
「読者の問題解決になる本」で「売れる本」を企画し、
出版していきましょう。
ご参考になれば幸いです。