なぜか企画が通らない、に効く話
2016/09/14
こんにちは、樺木宏です。
さて、本を書きたいという人は、基本的に優秀な人が多いです。
経営者も、医者も、弁護士も、東大卒の人も大勢います。
仕事で実績をあげた人も多いです。
しかしなかなか本が出せずに、「なぜ(こんなに優秀な自分の)企画が通らないのか!?」と、
相談に訪れる人が後を絶ちません。
かたや、それほど突出した実績はなくともすぐに出版が決まり、その後本を出し続けて
ブランド人になっていく人もいます。
なぜこうしたことが起こるのでしょうか?
結論からいえば、「読者への配慮」の違いなのです。
優秀な人が陥りがちなワナは「自分は優秀だから」という心の底の自負です。
だから「自分が」「自分は」と、話の中心が自分になってしまいがち。
そうなると、読者への配慮や工夫は、どうしてもおざなりになってしまいます。
例えば「広く世の中の人の助けたい」という主旨で書いていても、
実際の内容は非常に高度で、一部の専門家しか読めないようなものになっている、
というような事が起こります。
かたや、スムーズに出版が決まる人は、読者への配慮や工夫が秀逸です。
どうやったら興味を持ってもらえるか、喜んでもらえるか、再現してもらえるかの工夫に、
エネルギーを傾けています。
分かりやすいので読者層も広くとれますし、自然とライバルの本と比べても差別化されてきます。
このような読者への配慮の違いは、決定的な違いになります。
お金を払って本を買い、時間を使って読んでくれるのは読者。
本の主役は、著者ではなく読者です。
このことをどれだけ「腹落ち」して出版に取り組めるかが、企画の質とその後の売上にも直結してくるのですね。
言い換えれば「自分」という視野を手放して「相手」のことを考えて読者をつかむ。
さらには「社会」という視点で企画の立ち位置を考え、類書と差別化する。
これが著者ノウハウのエッセンスになるでしょう。
もちろん、優秀な上に、読者への配慮も工夫もすごい、となれば言うことなしなのですが、
初めて本を出すときは皆さん気負ってしまうせいか、先のような傾向が強いので、
ぜひ気をつけていきましょう。