出版は、"マラソン"と考えれば上手くいく
2017/03/07
こんにちは、樺木宏です。
さてあなたは、商業出版で著者になることを、どのようにイメージしているでしょうか?
「全力で取り組むもの」
「力を出し切ってチャレンジ」
のようにイメージしているとしたら、ちょっと危険です。
これらはいわば、「100m走」のようなイメージですね。
このように出版を考えてしまうと、モチベーションが高い時期は良いのですが、
やがて意欲が下がり、失速してしまうかも知れないのです。
出版業界の背景を考えてみれば、それがよく分かります。
まずは、低い重版率。
商業出版というものは、それほど重版がかかりません。
一説には20%台という話もあり、それもベストセラーが数字を押し上げている、
という話もあります。
ですので、「必ず一発でベストセラーにする!」と息巻いていたら、
8割の人は意気消沈してしまうことになります。
つぎに、1点あたりの賞味期限低下
出版業界の売上は減りながらも、発行点数は高止まりです。
つまり、1冊あたりの重みが減り、賞味期限も短くなっています。
それだけに、「この1冊でいつまでも!」と考えていると、
そのギャップに戸惑ってしまうかも知れません。
どうでしょうか。
結構、厳しい状況ですよね。
ではどうしたらよいのか?
私は常々、出版は「マラソン」だと考えています。
そのように考えて行動すれば、商業出版というものは意外とスムーズにいくのです。
重版率が低ければ、数を打ち続ければよい。
1冊1冊をしっかり魂をこめてつくるのは当然ですが、なにも1冊で終わる必要はありません。
単発の銃よりも、マシンガンの方が的に当たる可能性は高いのです。
1点あたりの賞味期限が短いとしても、同じ理由でリカバリーできます。
そのためには、とにかく「落ち込まないこと」です。
出版社から企画にダメ出しされても、長距離走なのだから、いちいち凹む必要はありません。
もっと先をみて企画を「淡々と」提案し続けましょう。
入魂の本がもし売れなくても、それを分析できれば、次のベストセラーの布石になるでしょう。
自分の本を「客観視」できるようになれば、それは著者として一生もののスキルです。
そうした行動を支えるのが、「出版はマラソン」という考え方なのですね。
ぜひあなたも長距離ランナーになって、長く活躍しつづけましょう。