著者はなぜ、"苦労した人ほど報われる"のか?
2017/03/29
こんにちは、樺木宏です。
さて、最も効果的な「企画力の上げ方」を知っていますか?
それは、
「企画を提案し、惜しくも採用されないこと」
です。
意外に思った人も多いかも知れません。
なぜ企画が「採用されないこと」が、効果的な企画力の向上につながるのか?
それは、
「しまった!」と感じたときに、「記憶に関わる脳の神経が活発に働く」からです。
それも、「あと少しだったのに・・・」という時ほど、その感情の動きは大きいもの。
だから、「惜しくも採用されないこと」が、効果的な学びの源泉となります。
それを裏付けるかのように、私のクライアントで多くの本を出し続けている人ほど、
最初に苦労した人が多いです。
出版業界を広く見ても、長く活躍しているベストセラー著者の大多数が、初期に苦労をした人たちが多い。
彼らに共通しているのは、
「企画をダメ出しされるなど、悔しい思いをしながらも、チャレンジし続けたこと」。
なのです。
このことは逆のパターンも説明できます。
・最初にあまり苦労せず本を出した人が、優秀なのにも関わらず、なぜかその後本を出せない
・初期の本がいきなりベストセラーになったが、あとに出した本が全く売れない
こうした、残念ながら著者としてあまり活躍できないパターンの人は、
最初にあまり苦労していないがゆえに、企画力が高まっていないケースが多いのです。
言い換えれば、出版ノウハウに対しての感度が低い傾向があり、
商業出版のハードルの高さを、見誤っている、あるいは忘れてしまうことが多いのですね。
一方、最初に苦労した人は、そのあたりが骨身にしみています。
だからノウハウを吸収しつづけ、ハードルを超えようと力量を高め続けていくのです。
そう考えてくると、「著者としての成功プロセス」は逆に考えなければいけないことが分かります。
「しっかり企画を考え、練りに練った渾身の企画をスマートに通したい!」
とイメージしている人も多いでしょうが、それはむしろ逆効果。
「ウサギとカメ」の童話でいえば、それは「ウサギ」の道です。
ウサギは最初は良いけれども、あとでカメに抜かれます。
それは童話の中のフィクションではなく、出版業界の著者が置かれた現実そのもの。
ぜひ「カメ」に学んで、長く活躍しつづける著者になってください。