出版では「カン・センス・直観・美意識」を大事にしよう
2018/06/28
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
さて、ご存知のように、商業出版はハードルが高いです。
思いつきで企画を考えても、それがそのまま出版社に採用されることは、
1/1000くらいの確率しか無いでしょう。
だから商業出版では、ノウハウが大切・・・
なのですが、あまりに大事にしすぎると、それはそれで問題が起こってきます。
なぜなら、ノウハウを使って最適解を出していくと、
「正解はいつも同じようなものになる」
からです。
商業出版にかぎらず、ノウハウというものは、
「こうすれば上手くいくという型を、別のケースに当てはめようとするもの」
です。
だから必然的に、1つのパターンに集約されていくのですね。
実際、書店の店頭を見れば分かります。
「正しい」出版ノウハウを、出版の「プロ」である編集者が真剣に考えた結果が、
「似たような本がいっぱいある」今の書店の店頭です。
まさに似たようなパターンの見本市ではないでしょうか?
皮肉なことに、売れる本について詳しい人になればなるほど、
あなたは「その他大勢」の著者に陥ってしまうリスクが高まってしまいます。
ノウハウに熟練するというだけでは、決してこうした落とし穴からは逃れられません。
どうせ本を出すなら、もっとオリジナリティある企画を考え、出版したいですよね。
そこで、見直すべきなのが、
「カン・センス・直観・美意識」
といった、一見非論理的なもの。
なぜなら、ノウハウの「型」をやぶれるのは、こうしたものだけだからです。
「これだけは譲れない!」
「こう書きたい!」
「ここが大切だ!」
こうした思い入れや感情があるからこそ、
余計なムダは省かれ、スッキリとシンプルなメッセージが読者に届きます。
企画は尖り、読者の心に突き刺さるものになります。
それを裏付けるように、ベストセラーになった本の中には、
過去に他の出版社で何社も断られているものがめずらしくないのです。
例え型から外れていても、前例主義から見れば低評価でも、
カン・センス・直観・美意識を貫くべき時もあるのですね。
ノウハウは活用するが、それに縛られない。
時にはノウハウだけでなくセンスも大事にする。
そうした感覚をちょっと加えるだけで、
ありがちな企画はユニークなものになり、
あなたらしい商業出版が実現する・・・
今回の記事が、そんな未来を実現するためのヒントになれば幸いです。