売れる本をかける人とそうでない人の、"ある違い"とは?
2020/11/19
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
前回は、著者とラーメン屋の共通点、ということで、
どれだけ腕が良くとも、ラーメン店を開こうとすれば、今どんな店が人気なのか食べ歩くべきなのと同じで、
今どんな本が人気なのかを、本屋で棚をみることが大切、
というお話をしました。
ラーメン店も、商業出版も、買ってくれる人が主役なので、当然といえば当然の話ですね。
正直、こうやって文字で読むのであれば、
誰でも「その通りだな」と思うことでしょう。
理論的には、まったく問題ない。
が、しかし。
いざ自分が本を書いて著者になろうとすると、なかなかそうスムーズにはいかないものです。
それはなぜか?
なぜなら、
「自分が尊敬する人や、自分と同レベルの人に、カッコつけたい」
という思いが、心のなかにあるからです。
いいかえれば、
「素人の読者ではなく、自分の身の回りにいる玄人を喜ばせたい」
という「欲」があるのですね。
この「欲」の引力は強烈で、知識などあっさりに吹き飛ばしてしまいます。
本屋で棚をみて、「こういう本が売れているのか」と感じても、
「でも、こんなにお手軽で簡単そうに見せたら、あまりカッコよくないな」
などと感じるのが人情です。
そして、
「もっとこう、自分の凄さが伝わるよう、もう少し複雑に見せたいな」
と考え始めます。
そして結局は、読者よりも自分が喜ぶ出版企画書をつくりがちなのです。
その結果は、いわずもがな。
なかなか企画が通らなかったり、仮に通っても売れない本になってしまうのですね。
商業出版で本を出そうとするとき最大のハードルは、
「自分自身の欲」
なのです。
ただ、この欲は、誰しももっているもので、否定したり、抑圧してみてもはじまりません。
それを踏まえた上で、どうやってそうした感情もコントロールしながら、
売れる方向に自分の本をもっていくか。
そうした感情とのつきあい方こそが、
売れる本を出せる人とそうでない人の、一番の違いと言えるでしょう。
自分の本心の欲を見据えつつも、
それに流されないようにうまくつきあっていく。
知識を介入させながら、感情とうまくバランスをとっていく。
それは、ベストセラー著者なら必ずもっているスキルなのです。
あなたの専門知識や実績にこれが加わったなら、
本を出すことは夢ではなく、日常になりますよ。
ご参考になれば幸いです。