あとから同じような本を出して売れるかどうか?
2020/12/03
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
さて、今日の記事のタイトル。
実はこれ、商業出版で出版企画書を書く上で、とても重要な考え方です。
というのは、出版社が常にチェックしていることだからです。
売れる本のテーマというのはある程度決まっていますし、毎年7万冊近い本が出るわけですから、
似たような本が増えてしまう傾向があります。
その中で、「あとから同じような本を出して売れるかどうか?」が、企画が通るかどうか、の成否を分けるのです。
もし、
「すでに出ている本とあまり変わらないな」
と思われてしまえば、すでに売れている本を書いている人や、一定の知名度がある人に、
書いてもらいたくなるのが編集者の思考です。
出版社の側からすれば、それで何の問題もないのですが、
新人著者の立場からすれば、企画が通る可能性が低くなってしまうのですから、
これは避けなければいけませんね。
しかし逆に、
「これは、この点が新しいな」
と思われれば、出版企画が通る可能性はグッと高まってくるのです。
ここでポイントになってくることがあります。
それは、読者にとって新しいメリットかどうか、です。
プロが見てやっと違いが分かるようでは、素人である大多数の読者には通じません。
まったく専門知識がない人がみて、明らかに自分事としてメリットを感じられるかどうか。
いわば、「プロであり著者としての自分」をいったん脇におき、
読み手のことを思いやれるかどうか。
ここが新人著者が、似たような本を押しのけて、
著者デビューを果たすための、大事な考え方なのです。
こうした考え方のもと、
「あとから同じような本を出して、売れるかどうか?」
を考えて、出版企画書をつくっていけば、商業出版は夢から通過点に変わりますよ。
ご参考になれば幸いです。