商業出版の主役は、著者?それとも...
2021/07/08
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
さて、今回の記事。
商業出版の主役と聞かれて、あなたは何と答えるでしょうか?
結論からいえば、
「著者ではなく、読者」なんです。
たしかに著者は、目立ちます。
名前がカバーの表面にもかかれ、
背幅の部分にも書かれます。
あたかもそれは、映画で言うならば主演俳優のようなものに思えるかもしれません。
でも、主役ではないのです。
なぜなら、
お金を払って買ってくれるのは、読者だから。
そして商業出版とは文字通り、
「ビジネスとしての出版」
なのですね。
ビジネスとして対価を払って頂くからには、
価値を提供する必要があります。
そして価値を提供するには、
読者が何を求めているかを知り、それを満たす必要があります。
つまり、ビジネスである以上、
「読者の欲求」から始まる必要があるのです。
だから、主役は読者。
正確には、読者の欲求が、主役なのですね。
このことを、
知らない人、あるいはただ知識として持っているだけの人と、
腹落ちして体得している人とでは、
出す本の内容が全く違ってきます。
前者は、どうしても自分が中心になります。
内容は、ライバルを意識したものになり、素人読者はおいていかれがち。
文章は、専門用語で書いてしまいがち。
表現も、平易な言葉よりも、やや婉曲な表現が多くなります。
「自分の凄さ」をアピールしたい気持ちが、全面に出ている書籍になるのです。
こうした本、あるいは出版企画は見る人がみればすぐ分かります。
だからなかなか企画が通らないし、仮に通ってもなかなか売れないのですね。
一方、後者の「主役は読者」と腹落ちしている人は違います。
内容は、レベル感が高すぎず、素人の読者に親切な配慮がされています。
文章は極力専門用語を使わず、
表現もスムーズにテンポよく読めるように工夫されています。
読者に価値を提供したい、という姿勢が本全体から発散されています。
こうした本も見る人が見ればすぐ分かりますし、そういう著者を応援したくもなります。
だから本もより良いものになっていき、
世に出る時はよい扱いで出されることとなり、
売れる本になりやすいのですね。
著者ではなく、読者。
いかにノウハウやハウツーを暗記しても、
この土台の心構えの部分が無ければ、
そう長く持たずに崩れ去ってしまうでしょう。
逆に、読者に、全力で貢献すれば、
結局は、それはあなたにぜんぶ返ってくることでしょう。
ご参考になれば幸いです。