メダルを取るのは著者と読者、どっち!?
2021/08/05
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
東京オリンピックが開催中ですね。
日々選手達の活躍とメダルラッシュが見れて、
やっぱりスポーツはよいものだなぁと感じる日々です。
ただ、著者は、アスリートとはけっこう違いがあります。
たとえば、
「頑張っていい本を書いて、金メダルを取ります!」
的に気合いが入っている、出版を目指す人。
たまにいらっしゃるのですが、実はすでにボタンを掛け違っています。
というのも、
商業出版では、本の主役は読者だからです。
著者が頑張って金メダルを取るのではなく、
読者にあたかもメダルをとったかのような、よい状態に到ってもらうこと。
それが本の、そして著者のゴールなのですね。
いわば、著者は「応援者」なのです。
ここを間違っていると、
努力の方向が「自分」に向いてしまいます。
そうなると、
自分の回りにいるプロやセミプロの目線が気になり、
分かりやすい内容や表現もそこそこに、
難解な内容や婉曲な表現を好ましく感じたりします。
そうした本は、大半の読者を置き去りにしてしまいますので、
読者ニーズが減ってしまい、企画が出版社に通らないか、仮に通っても売れません。
しかし、これが逆になるとどうか。
読者にいい状態になってもらうために、知恵を絞ります。
分かりやすい平易な表現を心がけ、
専門用語は極力減らし、一瞬で伝わるような例え話の工夫にも力が入ります。
そうした心構えは行間から読者に伝わりますので、
内容と気持ちの両面で、よい読後感を与える本になるのです。
このように、同じあなたが書く本でも、
最初の心構えだけで、まったく違う本になってしまうのですね。
当然、売れ行きもその後の著者ブランドも、
まったく違うものになるのは言うまでもありません。
世の中、全ての競争で自分が勝たないといけないわけではなく、
「どれだけ応援したか、サポートしたか、フォローしたか」
という競争もあります。
商業出版の著者は、まさにこれなのです。
スポーツとはまったく違った、著者の勝負の世界。
あなたの読者が「勝つ」ための、
ご参考になれば幸いです。