2018年の今、本を出そうとすることのメリットとは?
2018/06/21
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
さて、出版不況といわれて久しく、発行点数も減りつつある近年。
業界が縮小する中で、著者が紙の「本」を出す意味は減っているのでしょうか?
結論から言えば、むしろ本を出す意味は「増している」と、私は考えています。
たとえ1冊あたりの売れ行きが落ちてきても、
1冊あたりの賞味期限が短くなってきても、です。
なぜなら、情報の発信者は「二極化」していくからです。
誰もが情報発信できる時代だからこそ、飽和し、選ばれるのは難しくなります。
メルマガでも、流行りはじめは誰でも読者を増やすことができましたが、今はとても難しい。
ブログやSNSでも、それは同じです。
情報発信さえすれば読んでもらえる、という時代はもう戻ってこないでしょう。
実際、出版業界でも以前よりも安易に本を出すのは難しくなりました。
しかしその一方で、1部の人は、以前よりも注目されやすくなる人たちがいます。
それが、著者です。
情報が増えすぎて、受け手も選びきれない。
だから「今選ばれているのは何か」という、他者の判断が注目されます。
出版社というハードルを越えないと出せない、商業出版は、
プロの目利きによって「選ばれた情報」という価値があります。
ラジオや雑誌、Webなどの媒体では、著者から取材しよう、という傾向はむしろ強まっているように感じます。
ドラマやアニメの原作でも、書籍が元になっているケースも増えているようです。
そう考えると、書籍の発行点数が減っていくことは、
むしろ著者にとっては有利なことなのですね。
逆に、こうした時代に割を食ってしまうのが、「中間」の情報発信者。
そこらにあふれた情報よりもよほどいい情報発信をしているものの、
埋もれてしまって受け手に届かない。
あるいは、ライバルも多くて、先に誰かが選ばれてしまう。
二極化の時代は、中間にいるとうだけで、大きなリスクを抱えているのですね。
だから何かの特色を見いだし、尖らせて、読者のニーズに深く刺す。
そして「著者」という付加価値を得て、より選ばれやすいポジションを取る。
これが今の時代、有効な立ち位置の取り方。
ご参考になれば幸いです。