長く読み続けられる本を書く、という事
2014/06/17
こんにちは、樺木宏です。
長く売れる本、つくりたいですね。
しかし現在の出版業界は、出版点数は高止まりしており、逆に市場としては縮小傾向。
こうなってくると、1点1点の重さは軽くなってしまいます。
そうした中で、長く売れる本、長く読み続けられる本を書くのは、とても難しい事です。
そんな中で、私がコンサルティングの際に心がけていることがあります。
それは、
「すぐに具体的な答えを提案せず、あえて考えてもらう」
という事。
相談を受けると、頭の中に、現状で最も売れそうな企画はすぐ浮かびます。
それをすぐ企画書にするのは、スキルさえあれば、ある意味簡単なことです。
でも、あえてそれをせずに、「もう1歩先」を考えてもらうようにしているのです。
なぜなら、すぐ役に立つことは、すぐに役に立たなくなるからです。
そうした本を、大量に見てきました。
今の時代、出版のトレンドは数ヶ月で去ります。
一時期流行に乗って本が売れても、それが去ってしまえばあとは何も残らない。
残らないならまだよい方で、かつての自分が忘れられずに、逆に落ち込んでしまう人も多い。
安易にトレンドに迎合した結果がそれでは、あまりに悲しいですね。
そうならない為にも、
「自分自身の熱いメッセージ」
「自分でも明確に意識できていなかったコアな主張」
といったものを、ここで考えておきたいのです。
人柄や熱さが行間から伝わる本になれば、例え一時の喧騒は去っても、本質はそこに残ります。
そして、それは読者に伝わり続けるのですね。
それが、長く売れる本にも繋がって行くのだと思います。
全ての本を後世に語り継がれる本にするのは難しいとしても、せめてそうした
「読者の琴線に触れる何か」
は必ず残していきたいですね。