あなたが出版を断ったほうが良い時とは?
2014/09/23
こんにちは、樺木宏です。
さて、私はクライアントさんに、出版社からのオファーを断ってもらう事があります。
例えそれが商業出版でも、です。
それも、結構多くあります。
「えっ、もったいない」
と思った方は、正常な感覚の持ち主なのですが、
著者としては、ちょっと危ない。
というのは、
「著者のブランディグにとってマイナスになってしまう出版」
があるからなんですね。
例えば、勉強法や仕事術の本を書いてきて、投資や人間関係、はては健康本まで出してしまう著者さんがいます。
一見本が沢山出て、印税も入ってくるのでいい事ばかりのようですが、実は危険が潜んでいます。
1つは、コアな読者、つまりファンが離れてしまうこと。
多く本をだせば新しい読者が獲得できそうな気がしますが、
実は主張が拡散した結果、「読者が共感していた部分」が相対的に減ってしまい、
応援する気持ちが薄れてしまうので、コアなファンが減ってしまうのです。
2つ目は、メディアへの露出が減ること。
取材するメディアからみれば、「このテーマの取材をするなら、この人の話は必ず聞かなければ」という人は大切にします。
しかし、「この著者は何の人だったっけ?」という人には、知名度があっても取材には行かないもの。
つまり、多くのテーマで本をだしたことで、露出が増えるようで、逆に減ってしまうのですね。
こうしたワナに陥るのは、ベストセラーを出した著者さんに多いです。
出版社から次々とオファーがくるので、断るのももったいないから全部受けてしまおう、というケースですね。
また、このテーマは書いてしまってネタがないから、別のテーマで書こう、というケースもあるでしょう。
いずれも気持ちは分かるのですが、中長期のブランディグ戦略が欠けている、と言わざるを得ません。
徐々にオファーが減っていき、気付いた時にはファンもわずか。
これは寂しいですね。
逆に、それほど爆発的に売れなくても、メディアからの取材申し込みが途切れる事なく続いている著者さんもいるのと、
好対照です。
いかがでしょうか?
「著者のブランディグにとってマイナスになってしまう出版」は、
あなたの身近かな所にあります。
ぜひ注意して、長く活躍を続けて下さい。