いろいろある出版、どの形を選ぶか?
2016/04/13
こんにちは、樺木宏です。
ひと昔前は、出版には「商業出版」と「自費出版」しかありませんでした。
商業出版とは、出版社がリスクを負って本を出す形です。
著者は印税をもらって本を書き、出版社は投資を回収するために頑張って本を売ってくれます。
自費出版は、著者がリスクを負う出版の形です。
出版社は多くの場合印刷を請け負うのみで、オプションとして一部を流通させることもありますが、
元は取ってしまっているので、あまり真剣には売ってくれません。
他にも、
自費出版が企業向けになった、「企業出版」。
自費出版の名前を変えただけの「協力出版」。
などもありましたが、比較的出版の種類はシンプルでした。
しかし、最近は事情が変わってきているようです。
上記に加えて、
データのみを販売する「電子出版」や、
注文を受けてから1冊単位で印刷する「オンデマンド出版」、
という形もよく見かけるようになりました。
制作から印刷、流通、販売などにかかるコストが極端に少ないので、
ハードルが低い点がメリットです。
紙の商業出版だとどうしても、「売れなければ出版社がOKしない」、
すなわち企画が通らないので、こうした選択肢が増えることは、
基本的に好ましいことだと思います。
ただ注意したいのは、その目的に応じて、媒体を選ぶこと。
たとえばビジネスパーソンがブランディングのために本をだすのであれば、
誰でも低額のお金を払えば出せてしまう電子出版やオンデマンド出版では、
「権威」が弱いため、ブランディング効果も弱くなってしまいます。
また、売る側がリスクを取らない形の出版では、それが紙であるか電子であるかを問わず、
結局は著者が売るしかありません。
ですので自分の知らない多くの人に届ける、ということは難しいと知っておくべきでしょう。
あるいは、確かなノウハウを持っていることを世の中に知らしめたいのであれば、
商業出版以外は、本気で品質を向上させるしくみになっていないので、
ポテンシャルを発揮した本にはしずらい、ということも考慮に入れたいところです。
いかがでしょうか?
出版に関してさまざまな選択肢が増えてきている今、
あなたの目的に応じて、手段を選びたいですね。
ご参考になれば幸いです。