"正しいこと"を書くだけでは、正しくない
2018/04/26
こんにちは、保護ねこ8匹と暮らす出版コンサルタント、樺木宏です。
いい本なのに、売れない本。
そういうもったいない本ってありますよね。
せっかく一生懸命書いたあなたの本が、そうなってしまわないように、
商業出版では気をつけたいことがあります。
それは著者が、「正しいこと」を書いて、満足してしまうこと。
「正しいことを書いてなにがいけないのか?」
と思われるかも知れませんね。
もちろん、正しいことを書くこと自体は、全く問題ありませんし、
そうでなくてはいけません。
しかし、「それで満足してしまい、表現や伝え方に工夫がない」となると、
商業出版では大きな問題です。
人というものは、思っているほど「正論」を求めてはいません。
むしろその周囲にある、書き手の感情や息遣いを感じ、それに「共感」したい、
と思っているものなのです。
正しいだけで、感情が感じられなければ、読者は共感することができないですから、
あなたの本も印象に残らなくなってしまうでしょう。
また、著者のブランディグにも悪影響があります。
心理学者のソロモン・アッシュいわく、
「人の印象は『その人が温かいか、冷たいか』というただ1点によって、大部分が決まってしまう」
のだそうです。
正しいだけでとっつきにくかったり、上から目線で距離感が遠く感じてしまう著者は、
ブランディグ上の印象面で、大きな損をしてしまうのですね。
いかがでしょうか?
商業出版の著者レベルでは、正しいことは普通のこと。
それはスタート地点であって、ゴールではありません。
この1点に気をつけておくだけで、文章も、構成も変わってきます。
あなたの本に共感する読者がさらに増えるための、ご参考になれば幸いです。