どうしても出したい企画が通らない・・・こんなときの著者ブランディング戦略とは?
2018/12/06
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて前回、商業出版で本を出した人は、
「自分が本を一番出しやすい、一番低いハードルを見つけることができた人」
ということをお伝えしました。
商業出版というと、とてもハードルが高い印象がありますが、
決して、もっとも高いハードルを飛び越えた人ではないのですね。
むりろ、高いところを超えずにすむよう、知識と経験を活用していくほうがよいのです。
じつは、この話しには続きがあります。
前回のようなお話をすると、
「なるほど、それはその通りだと思う。でもどうしても、このテーマで本をだしたいんだ」
という人も、必ずいるのですね。
それは、むしろ望ましいことだと思います。
今売れているからといって、安易に迎合してテーマを変えるのではなく、
自分が書きたいテーマ、ライフワークとも言える思い入れを活かした本を出す。
これはとても素晴らしいことです。
でも、今はまだそのハードルは高い。
つまり、そのテーマで出そうとすると、なかなか企画が通らないし、仮に通っても売れない本になる。
そんなときはどうすればいいのでしょうか?
結論から言えば、
「ハードルが高いなら、階段をつくればいい」
のです。
今新人著者の1冊目として、そのテーマだとハードルが高いのであれば、
その前に「ホップ・ステップ」の階段を2つ作る。
そして3冊目に最も出したかったテーマで出す。
これが、最もよい方法です。
例えば、これは実際によくあるケースですが、
著者さんが「どうしてもこのテーマで出したい」というこだわりがあり、
そして私が「それだと時間がかかりそう、あるいは出せない」と思う場合です。
こういう場合は、私のほうから、
「そのテーマと隣接しながら、より読者の多いテーマ」
を提案します。
格段に企画は通りやすくなりますし、売れやすい本にもなります。
それでいて、本来書きたかったテーマの本の、伏線にもなっているということなのですね
その上で、2冊目のテーマ、そして3冊目のテーマも、併せて提案します。
いわば、著者のブランディングというものを、俯瞰の視点で、
かつ時系列で、どういう順番やるかと考えているということ。
それは戦略そのものなのですね。
いかがでしょうか?
出す本の1つ1つは、いわば戦術であり、点です。
それをつなぎ併せていくことで、線となり、面となっていく。
これが、著者のブランディング戦略を考える上で、決して書かせない考え方なのです。
こう考えれば、仮に1冊、2冊の本で失敗しても、
戦術のミスは、戦略で取り返すことができます。
でもその逆は、できないのですね。
著者として長く活躍していただくための、ご参考になれば幸いです。