"好き嫌い"は著者に必須の要素です
2019/01/10
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、私もかれこれこの仕事を10年近くやってきまして、
100万部を超えるプロデュースもしてきました。
そんな多くの著者さんを見てきたなかでつくづく思うのは、
「好き嫌いを大事にする」
ことの大切さです。
でも、この「好き嫌い」についての情報は意外と少ないもの。
「成功するための考え方「や、「うまくいく具体的方法」
の情報は世の中に多くあります。
でも、それだけでは嫌いなことをイヤイヤやる、ということにもなりかねませんし、
あまり好きでもない事で成功してしまうことは、結局不幸なことだと思うので、
「好き嫌い」が軽視されているかのような、昨今の傾向は残念に思います。
さて、なぜ好き嫌いが大事なのかといえば、
例えばいくら本を読んでも、好きでなければ未消化だからです。
内心の欲求から突き動かされてインプットしたものと、
外側からの圧や義務感に迫られてインプットしたものとでは、
その定着がまったく違います。
これを脳のしくみで言えば、記憶の仕分けをする海馬のとなりに、
好き嫌いを判断する扁桃体がある、ということ。
つまり、好きな事でなければ、脳は記憶を長期記憶にしてくれない、
いくらインプットしても忘れてしまうし、
ましてや組み合わせて活用などできない、ということなのですね。
同じ努力をしていても、好きか嫌いかで、その成果は天地の差がでてきてしまうのです。
でもここで、
「好きなことだけでは、仕事にならないのでは?」
という声も聞こえてきそうです。
もちろん、それを自分のためにやっていたのでは、
趣味と同じことですから、対価をいただける仕事にはなりにくいでしょう。
でもそれを、「誰かの問題解決にできないか?」とちょっと考えてみてください。
もしそれができれば、立派な仕事として成立します。
特にこれからの時代は、新たな仕事や職種がどんどん増えていく時代です。
今の子供たちが大人になる頃は、6割の仕事が今存在しない、新しいものになるとも言われています。
今の仕事は、どんどん陳腐化していく時代です。
そういう意味でも、「誰かの問題解決にできないか?」と、
新しい仕事を創造していく姿勢はますます大事になってくるでしょう。
そして実は、商業出版で企画を考える事は、その最適なテストになり得ます。
今まで多くの人が悩んでいる悩みを、誰かと似たような本で解決しようとしても、そこは飽和状態。
新人著者が新しく入っていく余地はあまりありません。
しかし、あなたの「好き」なことを「組み合わせ」ていけば、
新奇性や独自性がある、新しい問題解決として、光ったものとなる可能性が高まります。
かけ離れているからこそ、面白い企画になる、ということです。
「好きな事を仕事にすれば、あなたは一生働かなくて済む」
とは孔子の言葉ですが、
好きな事で意欲を感じながら、かつキラリと光るポジションを手に入れる。
それを実現するためにも、今年も商業出版のステージでぜひ試行錯誤していきましょう。
本年も、よろしくお願いいたします。