商業出版は"合理的な方法"から入ってはいけない!?
2019/02/27
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
世の中には、本を出す為のノウハウが溢れています。
情報がありまっている昨今、Webで検索すれば、そうした情報が多くヒットするでしょう。
しかしそこには大きな落とし穴があることをご存知でしょうか?
それは、「具体的方法から入ってしまうことの危険」です。
極論してしまえば、本を出す方法自体は、それほど複雑なものではありません。
今売れている本を調べ、それと差別化すれば、
商業出版で本を出す事は可能です。
だからそうした情報を元に、書店で売れ筋の本を調べ、読者に新しい切り口を出せないか考える。
そのこと自体は、問題ありません。
むしろ、合理的なやり方だと言えるでしょう。
しかし問題なのは、
「そうやって方法から入ってしまうと、あなたらしさが置き去りになってしまいがち」
ということなのです。
たとえば、もし仮にそれで「うまい」切り口が見つかったとしましょう。
しかしそういうやり方で企画を考えている人は、大勢いますから、
あなたの企画も「似たような企画の1つ」になってしまう可能性は大でしょう。
そうなると、あなたも「売れ筋のテーマのその他大勢のひとり」になってしまいがちです。
また、これは実際に経験するとわかることですが、
「うまいやり方」であることと、あなたの「エネルギーが湧いてくる」こととは、
まったく関係がありません。
むしろ、うまくやれるが好きではない、という切り口をもとに企画を考えてしまうと、
あなたのエネルギーは枯渇していってしまいます。
それはあなたの思い入れや熱い思い、義憤、問題提起といった、
「源泉」
とつながっていないのですから、当然とえば当然なのですね。
そういう想いで作った本が、人の心を打ったり、深く刺さるということは、
残念ながらないでしょう。
こうして見てくると、1つ1つのやり方は合理的なのに、
結果として、
「その他大勢のひとり」になってしまったり、
「やる気がでない」から人の心に刺さる本にならない、要するに売れない、
ということが起きてしまいがちなのです。
これが、「具体的方法から入ってしまうことの危険」なのですね。
いいかえれば、細かい知識は集めることができても、
「文脈がない」
ということでしょう。
今の時代、大事なのは知識そのものよりも、
「どのような心構えで、その知識を用いるか」
「どのように連動させて、考えるか」
という、文脈の方なのです。
だから本を出したい、売れる本を作りたい、本を出し続けたい、
という人は、知識を増やすことよりもまず、
「自分の思い入れを大事にしよう」
「自分のやる気が削がれるような要素は排除しよう」
と決めることのほうが大切。
そして本の内容自体も、単なる知識の羅列ではなく、
そうした「文脈」を伝えるものにしていきたいですね。
そこにまた、情報洪水時代の書籍の大事さもあると思います。
あなたの著者ブランディングの、ご参考になれば幸いです。