あなたの"本業"で書かなくてもいい!? 著者"複線化"の時代とは
2019/06/13
こんにちは、保護ねこ9匹と暮らす出版コンサルタントの、樺木宏です。
さて、商業出版には、2つのテーマがあります。
それは、
「売れやすいテーマ」と、「そうでないテーマ」
の2つです。
例えば「健康」というのは売れやすいテーマなので、
医療や、健康増進に関係する仕事をしている人であれば、
本を出しやすいことは明白ですね。
逆に、あなたの仕事が、例えば法人向けの特殊な商品を扱っていたりすると、
そのテーマそのものについて知りたい人はそう多くありませんから、
なかなか本を出すことはできないテーマ、ということになります。
では、もしあなたが後者だったら、どうすればいいのか?
商業出版を諦めなければいけないのでしょうか。
いえいえ、そんなことはありません。
なぜなら、「本のテーマは、あなたの本業である必要はない」からです。
確かに、本業であれば、経験も積んでいるので、書きやすいでしょう。
また、ビジネスへの好影響も分かりやすいので、そこで書きたい気持ちも分かります。
しかし、今の時代は、1つの仕事だけで一生食べていくのは難しい時代です。
業界の変化ははやく、企業の寿命は短くなる一方で、
働かなければいけない時間はどんどん延びていることは、皆さんよくご存知でしょう。
1つの専門分野に固執せず、新しいスキルや知識を身につけ、
進化し続けていくことが求められています。
これは、著者についても同じです。
1つベストセラーがでれば、雨後の筍のように次々類書が出て、すぐに陳腐化する昨今、
1つのテーマだけで、ずっと出し続けていくのは難しい。
であれば、「著者としての新しいテーマ」を探せばいいのです。
それはあなたが過去に、とても大きなエネルギーを費やしてきた趣味であったり、
とても多くのお金を使ってきたことであったり、
とても思い入れがあること、などなど、いろいろ考えられるでしょう。
その中に、著者として本を出せるレベルのコンテンツが、眠っている可能性があるのですね。
むしろそこから将来、新しいビジネスが立ち上がるかもしれません。
「芸は身を助ける」の言葉どおり、
今の本業が怪しくなっても、将来を支えてくれる財産になることだってあるでしょう。
実際、そういう人は著者にはとても多いですし、
私自身も、本業とは関係ないけどとても思い入れのあるテーマで本を出し、
ベストセラーになっています。
言い換えれば、
「将来に備え、新しい自分の立ち位置を確保する手段として、出版を考える」
ということ。
こういう考え方も、これからの時代は普通になっていくのかもしれませんね。
ご参考になれば幸いです。